学部についてのQ&Aよくいただくご質問
文学部
文学部全体について
伝統あるリベラル・アーツの精神を活かし、「専門性ある教養人」を育成します。そのために、学科や専修の枠を自由に越えられる独自のカリキュラム展開を用意しています。生きることの意義は何か、世界を認識するための方法とは何かといった、先人たちが挑んできた課題を共有し、その世紀を超えた成果と遺産をまとめ直します。そして、人生の謎、世界の闇に迫るアプローチを探ります。そこに文学部での「学び」の共通目的があります。「ものの本質を見抜くまなざし」、「新しい自分の発見」、「未知な自己を開拓すること」、これらが文学部における「学び」になるでしょう。自分自身をしっかり鍛え、既存の権力や因襲から自由になっていく。これが、文学部が大切にしているリベラル・アーツ精神のあり方です。
文学部の学生として、共通教養を身につけることを狙いとし、基幹科目を設置します。また、他学科・他専修の領域を学ぶことができるよう、学科・専修間の横断的な履修を大きく認め、推奨しています。また、2年次後期の開講科目「職業と人文学」では、文学部で学ぶことの意味と職業選択とを結び付ける新しい試みを構想しました。加えて、インターンシップに参加することで、さらに文学部での「学び」が、将来のキャリア形成を見通すものとなるでしょう。
キリスト教学科、教育学科、史学科は学科単位で募集を行います。文学科は英米文学、ドイツ文学、フランス文学、日本文学、文芸・思想の各専修単位で募集し、1年次から専修ごとに学びます。文学部における専修間での転科のような制度は想定していません。専修間の壁を低くし、所属する専修以外の科目を、一定限度まで卒業単位として認定します。史学科は2年次から専修に所属し、教育学科は3年次から教育学専攻と初等教育専攻に分かれます。
文学科日本文学専修か文芸・思想専修で教職課程をとることで、国語(中学・高校第一種)の教員免許状を取得できます。一方、教育学科では、国語の教員免許状ではなく、教育学専攻で社会(中学校一種)、公民(高等学校一種)の教員免許状が、初等教育専攻で、小学校一種の免許状をとることができます。
日本語教師は特に免許を必要としないので、学部レベルでは特にどの学部ということはありません。しかし、教師として採用されるときには、日本語教育能力検定試験をクリアしていることや、大学院修了を期待されることが多いのが最近の傾向です。本学であれば異文化コミュニケーション学部に「日本語教員養成プログラム」が設置されていますのでそちらをお勧めします。詳しくは下記リンク先よりご確認ください。
就職決定率は毎年約9割で、金融・保険、卸・小売、製造業、サービス、情報等の一般企業に就職するほか、他学部に比べ教員になる割合が比較的高いのが特徴です。
キリスト教学科について
キリスト教学科では世界の歴史や文化に圧倒的な影響力を与えてきたキリスト教の文化史、文明史的側面を重視して、これを丁寧に扱います。充実した少人数教育も特徴的です。キリスト教学科は、宗教としてのキリスト教を、また宗教哲学としてのキリスト教を探求する学科であることは当然ですが、同時に文明や文化のなかに色濃く影を投げかけているキリスト教的な考え方やイメージを探求する場でもあります。西洋の美術や建築、西洋の音楽も文学も哲学も、そして人権思想もキリスト教なしでは考えられません。
もちろん可能です。キリスト教学科では、信仰の有無、教派の別にかかわりなくキリスト教を多角的に学びます。
できます。ただし実技は扱いません。
文学科について
ネイティブスピーカーによる演習など、学習プログラムが充実していますので、実践的な運用能力を習得することができます。
イギリスやアメリカをはじめとする英語圏の国々の文学作品の読解や文化事象の研究を通して、彼らの文化や考え方を学び、ひるがえって、自分たちの生き方や考え方を再認識していきます。研究するテーマは、「コミュニケーション」、「文学」、「文化」、「言語」と大きくわけることができますが、もっとも大切なのは、自分の人格を高めることです。英語であれ日本語であれ、自分の考えを簡潔に表現して、他者を説得する言葉を身に付けましょう。
前向きに努力すれば、大丈夫でしょう。英米文学専修では、高い語学力だけでなく、広く深い教養を身につけることが可能です。8名程度のディスカッションや20名程度のプレゼンテーションやリーディング&ライティングなどをはじめとした、言語系科目(1年次は必修科目、2年次以降は自由科目)を一緒に履修することで、さらに効果が上がります。
「ドイツ語」「ドイツ文学」および、スイスやオーストリアを含め広くドイツ語圏の「文化」を国際関係と異文化比較の視点から理解していきます。
フランスの社会と文化がもっている雑多性と独自性が共存する様相を理解していきます。フランスの文学・歴史・地理・社会・思想・語学の学習を通して、広くヨーロッパ文化の構造と本質を把握し、フランス語が使われている世界各地の文化、歴史、社会、政治、経済などを学びます。
日本文学や日本語を通して、日本の文化を学びます。古代から現代まで教員をそろえているので、学びたい科目を幅広い範囲から選択できます。
本専修では、自分で考え、自分で発信できる人材、クリエイティブな人材を育成していきます。学生が主役となり、表現活動・思索活動を推し進めていきます。小説や評論、漫画なども卒業制作として認めていく方針です。そのためにも、ゼミナール形式のディベイト、課題提出、相互批評などが繰り返されます。新たな分野としては、サブカルチャー(漫画、アニメ等)に注目します。
文芸・思想専修では文学の理念をより広げ、小説、詩、戯曲、シナリオ、漫画などを創作・制作し、さらに、哲学や思想などの思索活動を対象とするのに対して、現代心理学部の映像身体学科では理論系科目だけでなく、ダンスや演技などの実演を含め、実際に映像を作るなど、機械映像の特色や作成プロセスを通しての創作表現活動や思索活動も扱います。文学部では映像や舞台を製作していくことはしませんが、映像が文学作品の対象となっていれば、あるいは外国文化を解読する素材となっていれば、文学部でももちろん扱います。たとえば「映像文化」などは文学部でも開講しています。しかし、同じ映像であっても、現代心理学部の映像身体学科とはアプローチの方法が異なります。同様に演劇も文芸・思想の重要な対象ですが、実際のパフォーマンスは映像身体学科の分野となります。詳しくは下記リンク先をご覧ください。
史学科について
原則的には希望する専修に進むことが可能です。1年次の授業を通して、自分の興味ある学問領域を理解し、希望する専修の演習を選択してください。自分が所属する専修以外の科目も履修することができ、専修の枠にとらわれることなく学際的に学ぶことが可能です。21世紀を展望する新しい歴史像は、日本にだけ、または西欧近代国家の枠組みにこだわっていては見えてきません。たとえば大陸世界に住む人々の歴史と海洋世界に住む人々の歴史といった新しい対立的な捉え方のなかに、国境を越えた新しい歴史像を作り出そうと、3専修の構成になったのです。
超域文化学専修は、歴史と文化、地域と時間、種々の文化を結ぶ架け橋となることを期待し、人文学の新たな可能性に挑戦する学問領域です。超域文化学専修では、多様で異なる文化同士を直接的につなぐことを、先鋭的に意識しアプローチしていきます。世界史専修、日本史専修が通時的な視点をはずさないのに対し、これらと協同しつつも、いわば汎時的、通文化的な人類文化像に迫ります。超域文化学専修では歴史および人類学の領域を扱い、具体的には文化人類学、文化環境学、イスラーム複合社会、アメリカ社会史、地域研究論などの領域を設けます。これらを総合することで人類文化を具体的な個人や地域から、世界全体までのスペクトラムをもって眺められることを目指します。
教育学科について
人間教育や生涯教育のあり方を探求します。3年次から教育学専攻課程と初等教育専攻課程に分かれ、「教育学専攻課程」では、地方公共団体などの教育・福祉部門、文化事業、相談事業、マスコミや一般企業などで活躍できる人物育成を、「初等教育専攻課程」では、小学校教員の養成を目指します。「初等教育専攻課程」を卒業することで小学校教員免許を取得することができますが、中学、高校教員免許は、教育学専攻課程のみ取得可能です。カリキュラムについては、教育哲学、教育心理学、教育社会学などの理論的分野の基礎の上に、教育方法の原理や歴史、学校教育や社会教育における教育方法などに重点が置かれています。
公立・私立小学校教員のこの春の採用実績を見てみると、2017年度卒業生では専任教員23名、常勤講師(期限付)10名、合計33名でした。2018年3月の初等教育課程の卒業生46名の71.7%が小学校教員として採用されたことになります。教育学科初等教育専攻では毎年卒業生の多くが小学校教員に採用されており、教員養成系私立大学の中ではかなり高い採用実績をあげています。
異文化コミュニケーション学部
「英語+1」という考え方のもと、英語に加えて、ドイツ語・フランス語・スペイン語・中国語・朝鮮語のいずれかひとつを選択して学ぶことで、2言語の運用能力を養います。そのために、少人数教育や全員参加の海外留学、さらにはそれぞれの言語で行われる講義科目などが用意されています。その上で、言語の背景にある文化や社会、さらには言語そのものについての理解を深め、多文化共生の問題に積極的に取り組んでいける力をつけていきます。
多くの語学系・国際系の学部学科では、中心になる言語を1つに絞って学習するシステムですが、異文化コミュニケーション学部では、英語+1言語の計2言語を必修とし、2つの外国語の運用能力を養います。英語を学びながら、もう1つの他の外国語を同時に習得することで英語と英語文化そのものを相対化できる複眼的思考力が必要だと考えるからです。また、多くの国際系の学部学科は、アフリカ、中東など特定の地域研究が基礎となっていたり、政治や経済が基礎となっていたりするところが多いですが、異文化コミュニケーション学部では、異文化の中でどのようにコミュニケーションを行っていくのかについて学びます。国内外のどんな地域でも活躍できる人材の育成を目指すためです。
はい。異文化コミュニケーション学部では、英語教員免許(中学校・高等学校。いずれも1種)を取得することができます。
これまでの多くの外国語系の学部にありがちな1言語中心主義の場合、世界のありかた、あるいは我々の身のまわりの現実を、ある単一の固定した視点から理解したり評価したりしてしまうことが、しばしば起こります。複数の言語を学ぶことによって、私たちは一つの現象を単独の視点からではなく、複数の視点から見ることが可能になります。多文化化した現代社会をより良く理解し、多文化共生を実現していくためには、このような複眼的視点がぜひとも必要なのです。
もちろんです。受容と発信の力をさらに伸ばしていくことができるような多彩な語学プログラムを用意しています。さらに、語学の運用能力だけではなく、世界を複眼的に理解していくことを助けるような科目もたくさんあります。
はい。相手に自分の言いたいことを伝えるには、「論理的思考力」や「的確な自己表現力」が必要ですし、相手の言うことを理解するためには、それらに加えて「類推力」も必要です。そしてこれらの力を伸ばすには、「日本語での的確なコミュニケーション能力」「ノンバーバル(非言語的)なコミュニケーション」が非常に大切です。異文化コミュニケーション学部では、こうした能力を育成するための土台として、まず1年次の「基礎演習」で、日本語で考え、書き、話す訓練を繰り返し行うことによって、「論理的思考力」「的確な自己表現力」を磨きます。こうした力を高めることで、真のコミュニケーション能力を身につけることをめざします。
異文化コミュニケーション学部では日本語教員養成プログラムを設置しています。これは、「日本語を母語としない人々に対して日本語を教える教員になるために必要な特別の教育を行なうもの」で、このプログラムを履修し所定の授業科目の単位を修得した学生には、卒業時に本学部から「日本語教員養成プログラム修了証」が発行されます。詳しくは以下リンク先をご覧ください。
専任教員のうち、約20~30%がネイティブ教員です。
立教大学全体の各種交流プログラムとは別に、学部の独自の授業として、立教大学の短期交換留学生とともに学ぶ「Cultural Exchange」という体験型クラスが設置されています。また、学部には英語で展開する科目が数多く設置されており、そこでは留学生とともに学ぶことが可能です。
2年次秋学期に原則として全員が参加する半期(約15週間)に及ぶ留学制度があります。留学先や費用などは以下リンク先をご覧ください。
さらに、学部独自で協定を結んでいる大学が複数あり、英語力やGPA等の基準を満たした学生には、1年間という長期の留学の機会を提供しています。
2年次秋学期の留学を前提として、4年間で卒業要件単位が取得できるカリキュラムとなっています。
・一般企業・ジャーナリズムの世界・公務員をめざす人
・英語教員をめざす人
・日本語教員をめざす人
・国内・海外の大学院進学をめざす人
上記のような進路を考えている人に向けて、体系だった履修が可能なプログラムを用意しています。
自己推薦型の入試である「自由選抜入試」では、英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・中国語・朝鮮語の検定試験等における語学力のレベルを定めたものなど様々な受験資格が設けられています。出願資格の詳細については、以下リンク先および入試要項でご覧ください。
さらに、高い英語力を持つ学生には、国際コース選抜入試 Dual Language Pathwayがあります。学部の専門科目を全て英語で修得し,これからのグローバル社会に貢献できる人材を育てるコースです。本コースにより卒業する学生には、コースの修了証明書を授与します。出願資格の詳細については、以下リンク先および入試要項でご覧ください。
経済学部
経済学部全体について
経済学部は、理論と歴史の学習を重視しつつ、市場経済の動態を多様な観点から分析する「経済学科」を中心として、これに経済・社会の諸問題を国や自治体の政策によって解決することに焦点を当てた「経済政策学科」、そして,企業の会計と財務・金融という面から問題の発見と解決をめざす「会計ファイナンス学科」を加えた3学科構成です。現代経済において,企業の視点はもちろんですが,市民や公共性の観点、財務・金融・国際問題など外部専門家の視点も重要です。経済学部は、多様かつ斬新な視点から経済のあらゆる分野で活躍する人材を育てることにより、社会への貢献をいっそう高めることができます。
学部レベルで必要な数学はさほど難しくありません。また、経済学部では、1年次向けに「経済数学入門」という科目を設置しており、苦手な人でも必要な知識を身につけてもらうように指導するので、大丈夫です。
また、経済学部の教育目標は「幅広い視野と柔軟な頭脳をもって、変動する社会に対応できる、自立的な思考能力をもった人材を社会に送り出すこと」です。学部教育の重点は、経済社会の現実を的確に分析できる素養を身につけてもらうこと、語学・情報処理の能力の向上をはかること、豊かな教養を涵養すること、にあります。経済学部はこの理念のもとで、経済、社会の構造とメカニズムを理論的、歴史的に学ぶとともに、現代の企業経営の諸問題を解明し、会計と金融に関わる諸問題を分析することを目指します。
経済学科の学生は、経済理論や経済の歴史的展開を学んだうえで、「経済分析」「経済社会」「国際経済」の3コースのどれかに進みます。「経済分析」コースでは、理論・統計や計量モデルを用いて現実のマクロ経済現象や企業・個人の経済行動を分析します。「経済社会」コースでは、市場を取り巻く社会問題やNPOの活動などについて分析します。「国際経済」コースでは、国際経済関係や世界各国の経済状況を、歴史的な視点も入れて学びます。要するに、市場経済の動態やそれを取り巻く社会の諸問題を分析して経済活動に活かせるエキスパートを育成するのです。経済政策学科では、「公共サービスと生活」、「競争と規制」、「グローバル化と地域」の三つの分野に分け、財政・金融・社会保障・都市・環境・産業・中小企業・労働・国際関係等をめぐる政策分析の手法と実際について、それぞれ深く勉強して、経済政策に関する総合的な能力を高めます。国民の期待に応えられる優れた政策をつくるためには、広い視野と奥深い分析を兼ね備えることが必要だからです。経済・社会の諸問題を解決する国や自治体の政策は,政府だけではなく,国民・地域住民や企業・研究者などの参加と協力に基づいて立案・遂行されるのです。もちろん経済理論と歴史研究が根底にはありますが、最新のトピックを扱った政策分野別の講義や、経済政策を決定・実行する現場で活躍している政策担当者を交えた実践的な授業なども取り入れて、より多様な視点から経済政策の分析を行い、政策立案・遂行能力を身につけることが大きな特徴です。
学科やコースなどによって必修科目や選択科目の範囲などは違ってきますが、最低限必要な単位をとれば、他学科、他コースの科目を履修することも自由です。たとえば、経済学科の学生でも会計ファイナンス学科の科目を選べるなど、自分が興味を持ったカリキュラムを自由に設定できます。その他にも、起業のためのビジネスプランを学生自身が作り上げていく「立教大発ベンチャー創出特別講座」、企業と協力して課題解決を実践的に考える「企画講座」、東京税理士会寄付講座「租税と税理士制度」など実務的な授業も多彩に開設されており、好奇心ある学生にはとても魅力的だと思います。
1年次で学ぶ「簿記」は初習者を対象としていますので、安心してください。ゼロからスタートすると思ってよいでしょう。2年次以上では、上級科目として、会計学、上級簿記、簿記演習、財務会計論など、多彩な科目が用意されています。入学してからの頑張りが大切です。
卒業生のほとんどは、企業へ就職しています。業種別に見ると金融・保険業が最も多く、そのほかに製造業、卸・小売業、情報関連産業、サービス業、公務など、広範囲の業種に就いており、経済学部で学んだ知識をバックボーンとして、幅広い分野で活躍しています。
学部全体では女子学生の割合はおよそ4割程度です。他大学の経済学部と比べてみても経済学を学ぶ女子学生の比率が高くなっています。
経済学部で開講されるゼミナールは、受講希望者に対する選考に基づいて許可された学生が専門テーマの研究を行う少人数授業です。できる限り受講の機会を拡大する態勢がとられており、受講希望者はほぼいずれかのゼミナールに入れるようになっています。同じ教員のゼミナールを2年次から継続して3年間受講するケースが多いのですが、3年次以降に新たに受講を希望する学生も受け入れるゼミナールが増えています。
経済学科について
企業を1本の木に例えると、経営学や会計学はそうした1本1本の木を対象としていますが、経済学は多くの木が集まってできた森全体や森を取り巻く自然環境自体を対象にしていると考えればよいでしょう。経済学科では、どのようにしたら豊かに人間らしく暮らせるかについて考えながら、生産・分配・消費などについて、「経済分析」、「経済社会」、「国際経済」の三つのコースを通じてアプローチします。
この問題は、何も経済学に限ったことではありません。「理論」とは、経済・政治などの「歴史」を分析するなかから導き出された人間社会の原理です。その時々の流行や大勢に流されることなく、きちんとした自分の意見を持つためには「理論」を理解することが必要ですし、また、現在の社会・経済システムの本質をつかむためには、それらが成り立つまでの「歴史」を学ぶ必要があるのです。とくに、社会科学は自然科学のような「実験」ができないので、経済現象の歴史的展開に学ぶことが、目前のそして将来の問題解決にとって重要です。
大教室での講義科目もありますが、1年次の基礎演習や2年次から始まるゼミナール、3年次からの経済分析演習、経済社会演習、国際経済演習など、少人数で密度の濃い学びの場が用意されています。
経済政策学科について
経済や社会をめぐる政策を「公共サービスと生活」、「競争と規制」、「グローバル化と地域」の三つの分野に分け、政策分析の手法と実際について、それぞれ深く勉強していきます。三つの分野での学びを通して、総合的な知識と思考方法を備えた政策立案・遂行能力を身につけることを目指します。
「公共サービスと生活」分野では、税負担のあり方、都市政策、社会保障制度、環境、NPOの役割などを学びます。「競争と規制」分野では、産業構造の転換や産業政策、中小企業問題、労働と生活などを学びます。「グローバル化と地域」分野では、諸国間の通商関係、途上国開発、国際機関の役割などを学びます。三つの分野とも、経済政策を決定・実行する現場で活躍している政策担当者を交えた授業を展開します。具体的には、「政策分析演習」では、国・自治体・公益法人・国際機関・企業・NPO・NGO・シンクタンクなどから政策担当者を講師として招き、それぞれが抱える課題をテーマとして、政策の調査・分析を行います。また「地域政策研究」では、担当教員がコーディネーターとなり、地域の自治体や商店街などと協力しつつ、地域活性化、環境、福祉、文化といった「まちづくり」の課題を研究し、提言することをめざします。
市民として政策決定やNGO・NPO活動に参加したり、公務員として国内外の政策遂行に携わったり、企業・産業界で政策を調査分析したり、といった職業や進路が考えられます。さらに、大学院に進学して研究を深め、将来、学究的立場から政策研究・提言を行うという道もあるでしょう。言い換えると、大学やシンクタンクに就職して理論・歴史・国際比較といった研究を展開し、それに基づく実証的な政策分析や提言を行うというものです。
少し大袈裟に聞こえるかもしれませんが、何より大切なのは、国民が経済政策の決定者であり、受益者であり、そして納税者でもある、いわば主人公であるということです。もちろん国や地方自治体の役割は重要ですが、公務員だけが政策を担っているわけではありません。国民の視点から、企業の視点から、あるいは地球市民の視点から、つまりさまざまな視点から政策を研究し、立案・遂行することが必要です。経済政策のあり方を勉強した人が、社会のあらゆる分野でリーダーになってこそ、21世紀の日本や世界は発展を遂げることができると言ってもよいでしょう。
会計ファイナンス学科について
会計ファイナンス学科は、欧米の大学で常識となっているように、会計とファイナンスを有機的に結びつけて学ぶ、日本で最初の学科です。ここでは、企業会計とファイナンスつまり金融と財務について、「アカウンティング」「ファイナンス」「マネジメント」という三つの分野からアプローチして、基礎理論からテクニカルな手法まで学んでいきます。具体的には、「企業会計の理論と実際」「資金調達・資産運用と金融市場」そして「企業の経営とガバナンス」について総合的に学べるようカリキュラムが組み立てられています。
会計は、企業の財務状況、企業価値を明らかにします。ファイナンスは、企業価値を高めるための経営活動のうち、株式や社債の発行、金融機関からの借入れ、といった資金調達面と、設備投資、金融資産や不動産の保有といった資産運用面の活動です。こういった財務的活動の結果は会計面に現れてきます。したがって、会計と財務・金融市場が密接に結びついていることを総合的に理解することが重要です。
これらの資格は大学3年次から受験できますから、1、2年次から専門科目をしっかり履修し、なるべく早くから受験勉強を始めれば、卒業までの合格も可能です。公認会計士については、キャリアアップセミナー(予備校と提携した資格取得講座)も学内で開設しており、わざわざ学外の予備校に行かなくても、学内で資格取得講座を受講することもできるようになっています。
経営学部
経営学部全体について
経営学部では、価値観が多様化している国際的なビジネス環境の中で、企業の経済的および社会的な機能を理解し、明確なビジョンと高潔さを持ったうえでリーダーシップを発揮して、自らの目標を実現させ、社会に貢献できる人材を育成します。また、「経営」を単に合理性や効率の追求という観点だけでとらえるのではなく、異文化理解や企業の倫理的行動なども経営のひとつの要素と考え、マーケティング、会計学、ファイナンス、人材マネジメント、組織論、企業戦略論などのさまざまな経営分野をより実践的に、かつ総合的に学んでいきます。
特に本学部では、「ビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)」「バイリンガル・ビジネスリーダー・プログラム(BBL)」「グッド・ビジネス・イニシアティブ(GBI)」を核とした独自のプログラムを展開しており、少人数のグループワークの機会も多くあります。さらに、学部間交換留学や海外プログラムが充実しているのも特徴的です。国際経営学科では、ほぼ100%の学生が卒業までに約3週間の短期留学を経験しており、約4割以上の学生が半年以上の中期留学を経験しています。(経営学科の学生の参加も推奨しています。)海外からの留学生も多く、英語で専門科目の講義を受けられるため、キャンパス内にいてもグローバルな環境で学習できます。
【経営学科】コアカリキュラムとして「ビジネスリーダープログラム(BLP)」を展開します。BLPは5学期2年半わたって行われ、3~4名程度のグループでのプロジェクト実行やスキル強化を通して、ビジネス・リーダーシップを体験的かつ段階的に身につけていきます。
【国際経営学科】コアカリキュラムとして「バイリンガルビジネスリーダー・プログラム(BBL)」を展開します。BBLは英語で経営学を学習できる力をつけることをねらいとし、英語で展開される専門科目と有機的に関連しています。また、専門教育科目の約70%を英語で展開します。
経営学部が考えるリーダーシップとは、権限や役職、カリスマ性に依存せず、練習によって、誰でも発揮できるようになるもので、誰もが発揮していけるものです。社会のあらゆる場面において、とりわけビジネスの現場で必要とされているのは、多様な価値観を受け入れ、周囲を巻き込み、チームをまとめて全体で成果を上げることができる力をもった人材です。実はこうした力こそが重要なリーダーシップなのです。
経営学部では、所属学科に関係なく海外プログラムに参加できる機会が多くあります。
まず、「Overseas EAP」があり、3週間程度海外の提携先大学に滞在し、集中的に英語を学び、英語でビジネス・プロジェクトを体験します。
また、経営学部では独自に世界各地の40大学と、学部間の交換留学プログラムを締結しています。2年次以降、希望者は北米、ヨーロッパ、北欧、アジア、オーストラリアなどにある協定校で、英語で経営学を学ぶことができます。(単位認定可能です)なお、学費相互免除協定を結んでいる提携大学へ留学する場合、留学先の大学の学費を納入する必要はありません。
さらに、英語初級レベルでも参加可能な短期の海外プログラム(フィリピン、マレーシアでのプログラムなど)や海外インターンシップも充実しています。
経営学部では多くの学生が、BLPやBBL、少人数のグループワークなどでリーダーシップを発揮した経験を、キャリア形成・就職活動に活かしています。国内外のインターンシップも充実しており、実際の企業で、ビジネスの現場を体験することは、働くことや学ぶことの意義を知り、将来のビジョンをより明確に描くことにもつながります。また、学部独自の就職支援プログラムもあり、エントリーシートの添削講座やOB・OGによる相談会が開催され、様々なプログラムで学生のキャリア形成・就職活動のサポートをしています。
学ぶことができます。企業におけるリスク管理を踏まえた資金用達・運用などについて、実例を交え、データ収集力や分析を身につけながら、総合的に学びます。
経営学科について
BLPは、グローバル社会で活躍できる人材の養成を目的に作られました。チームでのプロジェクト実行やスキル強化を通して、ビジネス・リーダーシップを体験的かつ段階的に身につけていきます。1年春学期の「リーダーシップ入門」をスタートとして、3年生春学期のBL4まで、5学期2年半にわたって行われます。リーダーシップを学ぶために、プロジェクト実行とスキル強化を交互に実施することが特色です。プロジェクト実行の学期に自分で気付いた長所を、次のスキル強化の学期で集中的に伸ばし、短所を補い、またその次のプロジェクト実行の学期に自分でチェックできるというサイクルになっています。
国際経営学科について
BBLは英語で経営学を学習できる力をつけることをねらいとし、英語で展開される専門科目と有機的に関連しています。国際経営学の専門科目を2年次秋学期から段階的に英語で履修できる能力を育成するために、全学共通の英語の授業からスタートし、1年次の夏休みに“Overseas EAP”という科目で海外の提携大学でビジネス英語の基礎を集中的に学び、1年次秋学期には“EAP (English for Academic Purposes) 1”、2年次春学期には“EAP 2”と段階的にレベルアップする英語コミュニケーション科目を履修します。そして、2年次の秋学期には専門教育科目担当教員と英語教育担当教員が連携し、やや易しめの英語による「専門教育科目(Basic Courses)」とその科目に対応する“ESP (English for Specific Purposes)”の授業を同時に受講します。そして、3年次からは、講師が易しめの英語で講義をするSheltered Coursesと、英語圏の大学での講義と同じレベルの英語で展開されるMainstream Coursesを受講する、というのが標準的履修パターンです。なお、3年次の講義では受講者の半数近くが留学生ということも珍しくありません。
国際経営のコア・カリキュラム「BBL」の授業や課題をしっかり取り組んでいけば、英語で経営学を学ぶ力を段階的に身につけていくことができます。2年次には、専門科目を英語で受講していただきますが、一人ひとりに合ったきめ細かいサポート体制がありますので、ご安心下さい。
理学部
数学科について
代数学、整数論、解析学から数理物理学、計算機科学にわたる幅広い研究を基盤として、学部から大学院へ至る一貫した教育を行っている点が特徴です。
学生数に対する教員数の比率は、全国の私立大学数学科の中で最高水準を誇っています。そのため学生一人ひとりが自分の希望に沿った、より自分の関心に合った研究を選べるのです。
いわゆる実験はありませんが、数学およびコンピューターについて、講義で学んだ内容の理解を深めるための演習があります。
大学で専門的に学ぶ数学は、高校までの数学に比べると、かなり高度なものとなります。そのため最初は難しく感じて戸惑う人もありますが、数学に興味をもち勉強を続けていけば、考える力がつき、分かってくるようになります。学生同士で自主ゼミナールを行ったりして、大学数学の面白さ、数学の広さ、深さを実感していく学生たちもいます。さらに深く学びたい学生や研究者を目指す学生は大学院へ進学します。
主な就職先としては、およそ25%が情報関連企業に就職しており、IT関連企業の就職が増える傾向にあります。また、中学校・高等学校の教員の就職実績も高く、多くの卒業生が活躍しています。一方、約10%が大学院へ進学しています。
物理学科について
極小の素粒子から極大の宇宙までを統一して理解しようとする物理学の最先端を、最新の実験施設や装置を用いて、学部と大学院で学ぶことができます。立教大学物理学科では少人数教育を基本とし、3年次までに基礎的な科目を修得します。4年次は大学院修士課程0年次と考え、専任教員が専門とする分野の研究を通じて、世界最先端の物理学に触れることが可能です。
立教大学物理学科は、宇宙に関する観測的・理論的研究を行っている数少ない私立大学の一つです。宇宙論、ブラックホール、中性子星、超新星残骸、銀河、太陽系惑星、系外惑星など幅広い対象を学ぶことができます。ハワイの高山にある望遠鏡を使った惑星観測やアイスランドでのオーロラ観測で得られたデータ、あるいはX線天文衛星「すざく」、金星探査機「あかつき」、小惑星探査機「はやぶさ2」などの人工衛星や惑星探査機のデータを使って研究が可能です。また、立教大学では宇宙を観測する人工衛星や惑星探査機に載せる観測機器の開発に携わることもできます。
大学では高校までに学んだ知識を用いて、新しい概念を導入しながら学び直すところから始まると思えばよいでしょう。最初は戸惑う場合もあるかもしれませんが、物理学の本質を考える勉強を通して「わからなかったことがわかる」感動が味わえるでしょう。3年次までは、物理的な感覚を身につけるための「実験」と、講義で学んだ知識を使って実際の問題を解く力をつけるための「演習」があります。4年次必修の「卒業研究」では、5人程度の学生が一人の教員の指導を受け、1年間にわたって教員の専門とする分野の研究を行います。ここでは、皆さんが高校までに学んできた「先人が明らかにした自然」ではなく、「今まで誰も見たことの無い自然」あるいは「今まで誰も理解していない自然」を明らかにすることを目的とした「研究」を行います。
半数以上の卒業生が、メーカーや情報・通信業界などに就職しています。他にも中学・高校の教員、公務員、銀行・証券会社や広告代理店など、幅広いフィールドで活躍しています。また、3〜4割程度の学生が大学院に進学します。主な進学先は、立教大学のほか、東京大学、東京工業大学などです。
化学科について
基礎をしっかり学んで「現代・未来をどう生きるか」確かな意見を持つ、これが立教大学の化学科が目指すところです。そのために「なぜ」を大切にしています。私たちの身の回りにあふれる物質の変化や機能を原子や分子のレベルで解析していくのが化学です。そのときの化学的原因を原理的に理解し、「なぜ」に答えていこうとしています。そのために学生が理学研究を経験し思考することが大切だと考えています。1年次春学期から基礎化学実験が始まり、3年間化学実験をする機会があります。また、4年次では研究室に所属して教員から直接個別に指導を受け、卒業研究に1年間取り組みます。
約半数の卒業生が就職しています。とりわけ、化学、化粧品、製薬、電気、情報関連の企業への就職者が多くなっています。また、4割近くの卒業生が大学院に進学しています。
生命理学科について
DNAやタンパク質といった分子の働きの解明から、生命の様々な仕組みが明らかになってきて、いろいろなバイオテクノロジーが生み出されるようになりましたが、「生きている」ことには解明されていない謎が満ちています。細胞という「生きている」最小の単位で見ても、まだまだわかっていないことばかりなのです。分子科学を基礎において、生きている「基本の姿」を追究するのが、立教の生命理学です。
分子科学を基礎において、生きている「基本の姿」を多面的に追求する点に立教大学の生命理学科の特徴があります。様々な生物のゲノム配列が明らかとなっているポストゲノム時代の今日、「一味違った」生命へのアプローチを目指しています。
卒業生の半数近くは大学院へ進学します。立教大学だけでなく、東京大学、東京工業大学、筑波大学など他大学の大学院へも進学しています。就職先は、バイオ関連企業と情報関連企業が多く、銀行や保険会社へ就職する卒業生もいます。
社会学部
社会学部全体について
社会学とは、個人と社会の相互的関係に基本的視点をおき、世界的規模で急速に複雑化する現代社会のさまざまな現象や課題、また、人間の社会的共同生活について研究する学問です。社会学は社会の変化に敏感に研究対応できるところに学問的特徴があり、「今」を理解し「明日」を予測できる力、そして、他者との共生へのしなやかな感性を学ぶことができます。
社会学部では、「人間」「社会」「コミュニケーション」「メディア」「文化」「環境」といったキーワードを軸に、自己やアイデンティティの社会的形成過程、家族や社会生活のあり方、社会システムや社会変動の特性などについて、理論的学習と社会調査の実践により、より良い社会を築いていくための「社会学力」を身につけます。社会学部では基礎を理論と調査方法の学習におき、しかも1年次からの専門教育を重視します。社会学科、現代文化学科、メディア社会学科ともに、最も基礎的科目である社会学原論を1年次に開き、社会学という学問の全体像を学びます。同時に、社会的事実を理解する方法として「社会調査法」が1年次に始まります。こうした学部の基礎教育は3学科に共通です。また、自分の関心に応じて専門の選択科目も履修でき、早くから問題意識を明確化できます。
現代社会が直面している社会的課題は、例えば環境問題のように個人や企業や国家の間での利害関係の問題、消費とエコが拮抗する個人のライフスタイルの問題、国際連携による地球規模での対応問題など非常に複雑化したものとなっています。何が問題なのかさえ議論になることもある一方で、問題現象は止まることなく深刻化していきます。社会学は現在進行中の社会現象やその問題点をトータルに研究し、対策を含めて社会に提起できる、フットワークのよい学問です。 法律や経済といった特定の分野だけではその全体が十分理解できません。対照的に、社会学はさまざまな分野を横断して問題に迫っていくことができます。法学、経済学は学問的体系が整っていて、何から学び始めて、順次どういう学習を進めていったらよいのかがカリキュラム上明確になっています。これは重要なことですが、社会学は法学、経済学などと比べると学問分野としての体系性が緩やかです。これは絶えず変化を遂げていく社会現象の多様性に対して迅速な研究アプローチを実践していく点に学問としての特徴があるためです。領域横断的に機動力ある研究展開が社会学の持ち味と言えます。
社会学部では、学科間の垣根を低くしています。こうすることにより、学部内の他の2学科の選択科目の履修を大幅に自由化し、取得した単位を自学科の卒業要件単位数(32単位まで)とすることができるようになりました。
従来の立教大学の社会学部と似たところとしては、関西学院や明治学院でしょう。どちらも、キリスト教を教学の理念としていますし、社会学部の中に社会福祉学科を置いています。メディア社会学科に近い学科を持つ社会学部としては法政大学や東洋大学があります。でも、これらの大学は学際的構成の社会学部なので、立教の社会学部とは異なります。社会学を基礎とした社会学部は立教の際立った特色といえるでしょう。
全ての学科においてゼミは1年次から必修であり、社会学科と現代文化学科では3年次から、メディア社会学科では2年次から選択となります。しかし、選択制をとっているのは、学生の自発的問題関心を促すためであり、両学科ともすべての学生にゼミの履修を強く勧めています。基礎ゼミではレジュメの作り方から始まって、研究文献の調べ方やディスカッションの方法など大学での学習の基礎となる事柄を丁寧に行います。ほかにも、大学の外へ出て施設やフィールドの見学なども行います。ゼミは少人数のクラスであり、大学での学習の重点的な部分を占めます。
社会調査士とは、2004年度から始まった認定資格です。日本社会学会が中心になって設立された認定機構が、所定のカリキュラムを整備している大学の学生を対象に、卒業後に資格認定します。社会学部では3学科ともこの資格のためのカリキュラムを整備していて、大多数の学生は1年次から学習していけば、ほぼ自動的に社会調査士資格取得に必要な科目のほとんどを履修していくことになります。
社会学科について
社会学科は、社会学本来の学問特性を基礎から発展形まで本格的に学べる学科です。社会学という学問が歴史的に培ってきた研究分野を総合的に学習できます。文化やメディアという現代的状況を対象とする他の2学科に対して、社会学科はそれらの学科では対象としえない社会の根底にある問題群を取り上げることができます。たとえば、私はなぜ「私」なのか、「家族」はなぜ必要なのか、働くことの意味とは何か、地域や都市の空間で公共的(パブリック)なものはどう支えられるのか。新しい社会学科は、この根源的かつ現代的な問いに理論的・実証的研究によってせまり、学生たちにこうした問いを思考する能力を育てる教育を行うことを目的としています。
一般企業が多いですが、マスコミやジャーナリズム、公務員、非営利民間団体などを含め、幅広い領域に進んでいます。
現代文化学科について
社会学部現代文化学科では、社会的背景を強調した文化へのアプローチをとり、都市化する現代社会の中での生活文化、消費文化の問題や、文化背景を異にする人々との共生とその課題などの多文化化の問題、そして、個人のライフスタイルから地球規模にまで拡大した環境の問題を社会学的に研究します。一方、観光学部交流文化学科は人の移動に焦点をおき観光学や地理学のアプローチを特徴とする学科となります。
メディア社会学科について
マスコミやジャーナリズムの現状と課題に焦点をおくマスコミュニケーション領域、情報社会の形成や制度的諸問題を扱う情報社会領域、急速に多様化、拡大化しているメディアとコミュニケーションの世界、そして、調査や取材、文章作成といった実践的な内容を学べるメディア実習科目群、これらの3領域1科目群からメディア社会学科は構成されます。 たとえば、デジタル化、多チャンネル化が普及した放送の世界、携帯電話、パソコンとテレビ、DVDの一体化、ローカル放送局の活動、在日外国人コミュニティを対象としたエスニック放送局やローカルなミニコミ誌、通勤客向けのフリーペーパーなどなど、私たちの社会はメディアとの関係を抜きにしては考えられなくなっています。こうした中で、多種多様な情報を的確に読み解き選別できる批判的能力が、個人が生きていくうえでも、社会的にも幅広く求められています。
カリキュラムは情報社会、マス・コミュニケーション、メディア・コミュニケーション、メディア実習科目群の3領域1科目群に分けています。それぞれの領域に、一例ですが、情報産業論、WEBスタディーズ、メディア各論(新聞、放送、出版、映画)、ジャーナリズム各論(政治・経済、国際、ビジュアル・ジャーナリズムなど)、メディア文化論、メディアリテラシーなどがあげられます。
メディア社会学科では、メディア関連企業でのインターンシップを選択科目として配置しています。また、立教大学では、出版・放送・新聞・広告などのマスコミ業界で活躍している卒業生に講演してもらう「赤レンガ講座」(受講無料)を毎年開催しているほか、キャリアアップセミナーでも、マスコミ業界の実際の現場で活躍している講師から指導が受けられる「立教マスコミ講座」を開講しています。
放送・新聞・出版などマスコミ業界を志望する学生が、他学科と比べて比較的多いのが特徴です。実際には、それら以外にもメーカー、金融・保険、卸・小売、情報等幅広い業種で卒業生が活躍しています。
法学部
法学部というと、もっぱら法律関係の職業に関わる仕事のための勉強をするところだと考えている人がいます。しかし立教大学法学部はより良い未来を構想する能力を鍛える場でありたいと願っています。そのために法学と政治学を総合的に学べることが大きな特色です。立教大学法学部は、法学科、国際ビジネス法学科、政治学科の3学科のコンセプトを整え、法学・政治学の基礎的科目履修の徹底、少人数教育、グローバル化に対応する専門教育の充実を通じて、法や制度に関する知識や思考法を身につけ、学生が各自の関心に従ってテーマを掘り下げ発信する能力を育成することを目指しています。
立教大学法学部では、法律学、政治学にわたり、その分野でトップクラスの教員を擁しています。どの学科でも、それぞれの進路の希望や大学に入ってからの学びによる問題関心の変化に応じて、幅広く深い勉強ができるようになっています。法律学の弱い政経学部、政治学の弱い法学部よりも、大学で学ぶ中で、法律学と政治学の連関を見通しながら、希望にあわせた分野の勉強ができる立教大学法学部は、お勧めすることができます。
法学部の講義は、みなさんが高校で、世界史、日本史、地理、倫理、政治・経済の各教科を一通り勉強していることを前提にしているので、選択などの関係で充分に勉強できていない科目があれば、自分で関心をもって本などを読んでおくとよいでしょう。新聞で日々掲載されている記事、あるいは総合雑誌(多くは月刊誌)や、新聞社などから出ている論点やキーワードをまとめた本を見てみて下さい。その中で興味の持てる記事を一読してみて、よくわからない事柄が出てきた時は辞典・事典などで調べましょう。情報の確かさに留意する必要がありますが、インターネットで調べるという手もあります。内外の新聞のウェブサイトや、研究者のグループがわかりやすく発信しているサイトがあります。何よりも幅広い知的好奇心をもっていることが大切です。
立教大学法学部学生の卒業後の進路は非常に多様です。公務員になる人、一般企業に就職する人も大勢います。業種としては金融・保険、製造業、サービス、卸・小売、情報など幅広い分野で活躍しています。もちろん法科大学院(法務研究科)に進学して法曹の道を目指す者、各種の資格取得を目指す者も少なくありません。さらに、大学院に進学し研究者として大学や研究機関を目指す者などもいます。業種としては金融・保険、製造業、サービス、公務員、卸・小売、情報など幅広い分野で活躍しています。
法曹になるには、法科大学院を卒業してから司法試験に合格する必要があります(ただし、司法試験予備試験に合格すれば、法科大学院を卒業していなくても司法試験を受けることができます)。法科大学院に入学するために法学部を出ている必要はありませんが、法学部で法律学の基本科目について既に学修している場合には法学既修者用のコースに進むことができ、2年で法科大学院を修了することができます(そうでない場合は法学未修者用のコース(3年間)に進まなければなりません)。そのため、最初から法曹界を目指しているのであれば、様々な分野の法律を学習することを通して、問題発見・解決能力の修得を目指している法学科がよいでしょう。
なお、他の学科を選んだ場合でも、立教大学法学部ではどの学科に進んでも興味関心に応じて科目を履修することができますから、法学既修者コースに進むために必要な法学の基礎的能力を十分に養うことができます。大学に入ってから自分がなりたい将来像が変わることもあるでしょうが、そうした進路の変更に柔軟に応じられるのが立教大学法学部のカリキュラムの特徴です。
国際ビジネス法学科ではグローバル化するビジネスに関連する多様な法的問題について、政治学科では各国や世界の政治、市民社会について学ぶことを重視しますが、法学科を含めどの学科からでも、国際公務員、NPO、NGOの職員を目指すことは可能です。法学部のカリキュラムは、法学部の他学科や他学部の幅広い科目群からも選べる自由度が高いものであり、広い視野と柔軟な思考力を身につけることができます。また外国語による専門科目の授業をはじめ、グローバル化に向けた教育を採り入れています。
卒業に必要な単位を取れば、卒論を書かなくても卒業することはできます。でも、大学で学んだことを何か形にして残しておきたいと思うのは当然ですね。法学部では教員と学生が双方向で学ぶ少人数の演習という授業があり、そこで演習論文が実施されている場合は、論文を卒業に必要な単位の一部として認定する制度を設けています。3年次までに卒業に必要な単位の大部分を取り終えて、最後の4年次に論文の作成に集中する学生もいます。
憲法をはじめ、民法、刑法、商法、行政法など様々な分野の法律を学習し、法学の基本的素養をしっかり身につけた上で、各自が関心を持つテーマについて、演習や少人数講義で密度の濃い学習を積み重ね、リサーチ能力を修得していきます。それを通じて問題発見・解決能力と制度構築能力を身につけ、より良い秩序を創造する能力の育成を目指しています。
法学科同様に基幹となる憲法、民法、刑法、商法などについて学ぶほか、とりわけ現代企業法、国際私法、国際取引法、知的財産法、国際経済法などのビジネスに深く結びついた法津について学び、グローバル化する企業社会で生じる多様な法的問題に適切に対応できる基礎能力を養います。外国企業と国内企業との間で生じる様々な法的紛争の予防や処理について学びます。
政治学科では刻々と変わっていくグローバルな世界の中で、政治と社会の変化を理解し、分析する能力をもった指導的な人材を育てたいと考えています。そのために憲法など基礎となる法律科目のほかに、政治理論・思想、日本や諸外国の政治、行政や政策などを学ぶことによって、日本の社会や世界の様々な問題を自分で解いていくための知識と方法を学びます。ジャーナリストや公務員といった仕事でも、現代社会の組織運営や地域での問題解決の場でも、政治学的な能力が生かされるのです。
観光学部
観光学部全体について
観光学科は、これまでの観光教育の歴史を受け継ぐ学科で、観光産業の経営と、地域活性化の二つの視点から観光教育を展開します。観光学科は、必ずしも実務優先の学科ではありません。経営や開発を考える基礎的能力を重視しながら応用へとつなげる学科であり、経営的センスを大切にします。これからの経営、ことに対人的ビジネスでは人間や文化への理解が不可欠です。観光学科では、併設される交流文化学科との協力でこれを可能にしています。
交流文化学科は、国際交流、都市と地方など、観光の持つさまざまな「交流」機能に焦点を合わせた学科です。観光のもつ交流的側面と、観光がもたらす文化的影響を海外をはじめとするさまざまな実地体験をもとに明らかにするところに特徴があります。交流文化学科のもう一つの特徴は、学内外で繰り広げられるさまざまな国際的プログラムが用意されていることで、自然に国際感覚を身につけることができます。
観光学科では、人間や文化に対する深い理解をもとに、経営や計画、地方行政など様々な場面で新しい観光の姿を構想し、観光事業・観光産業を変革し、さらにはそれを実現していく能力を持った人材を育てていきます。交流文化学科では、地域研究をもとに、他文化への視点を養い、多文化状況下で交流の実をあげうる国際公務員、ジャーナリストなど国際的人材の育成と同時に、交流の場を設定・調整する立場の人間を育てようとしています。
両学科とも、海外を含めてフィールドワークなど、現場経験にもとづく問題意識を大切にしながら理論的教育につなげていくということを基本にして、カリキュラムを構成しています。特任教員として、旅行会社、ホテル企業のトップ経営者を迎え、実務知識と理論を組み合わせた授業を展開しています。また、2年次から開始される演習(ゼミナール)に全員が参加できる体制を整えています。観光学科ではアメリカ、オーストラリアなどの大学をベースとして単位認定を行う国際インターンシップを計画しています。交流文化学科ではベトナムなど東南アジア諸国、アメリカ、オーストラリアなど海外でのフィールドワークを取り入れていく計画を持っています。観光学科の「自由研究」は、学生のアイデアを募集しそれを正式の授業にするというユニークなものです。交流文化学科の「言語と文化演習」もユニークな演習です。言語と文化の関係を少人数で学びますが、コミュニケーション能力の向上を目指したものです。
観光業界への就職決定率は3~4割ほどです。それ以外は、一般企業や公務員、大学院への進学等です。観光業界へ就職するにはどの学部または学科でも有利不利はありませんが、観光学科では「ビジネスとしての観光」という観点で学べるので、観光関連の職業に就いてから役立つさまざまな知識や能力を身につけることができます。交流文化学科の卒業生の就職・進路については、一般的な業界はもちろんのこと、国際公務員やNPO・NGOなどの非営利組織等での活躍も期待されます。
ツアーコンダクターに限らず、観光関連の職業に就いてから役立つさまざまな知識や能力を身につけることはできますが、本学観光学部はツアーコンダクターを養成するための学部ではありません。また、調理や発券手配などの実務的な技能は学びません。それはむしろ就職してから必要に応じて就職先で研修を受けることになります。
アカデミックアドバイザーは、学部教員が学生ひとり一人に対して学習計画や卒業後の進路などの相談に応じていくというものですが、観光学部創設以来の教育システムであり、社会的にも高い評価を得ています。
観光学科について
交流文化学科について
キーワード「交流」の意味するところは、人がどこかへ出かけていって、他の文化の中で暮らすことにより、受け入れた側の意識や文化も変化し、出かけていく側にも新しい発見がある。それらを交流という言葉で表しています。具体的には、旅行に出かけたときの体験を思い浮かべてください。いろいろな発見や驚きがあるはずです。こうした事象や関係性を包含しているのが「交流」です。
コミュニティ福祉学部
コミュニティ福祉学部全体について
人間福祉に関連する諸学を総合した新たな福祉学の構築を目指して開設されたコミュニティ福祉学部の目指すところは、一言で言えば、人間がよりよく生きていくという意味の「ウェルビーイングの増進」ということです。コミュニティ政策学科は、福祉に限らず、地方分権時代を迎えて重要性が増してきた「コミュニティ生活」をより良くするため、健康、住宅、教育、文化、スポーツ、まちづくりなどの諸課題に向かって、ローカルなアプローチとグローバルなアプローチから取り組む学科です。福祉学科は、人間のしあわせと暮らしを保障するために、制度・政策と具体的な社会福祉実践を理論とともに福祉実習や演習などを通して総合的に社会福祉を学ぶ学科です。
①社会福祉の基本科目を学ぶという点では骨格は同じですが、総合大学(11学部)で福祉を学ぶことができるというメリットがあります。 全学共通カリキュラムや他学部の科目を履修できる制度を活かし、リベラルアーツの観点から多彩な学びを通して、さまざまな視点から福祉を考えることができます。そうした学びを通して総合的に人間と社会を捉える柔軟さを身に付けることができるのは大きな特色です。②とくにコミュニティという生活基盤にしっかりと視点を当てて、縦割り的な福祉のあり方から包括的なネットワークのなかで福祉のあり方を考えていくという点で、今日的な社会福祉の教育を進めています。③さらに体系的なカリキュラムのもとで、総合的に人間のしあわせと暮らしを保障するための学びができることも大きな特徴です。このようにコミュニティ福祉学部は、3つの点で際立った特徴を持った学部として教育内容を充実させています。このあとの各学科のQ&Aを読んでいただくことで、本学部の特色をさらにご理解いただけるものと思います。
well-beingは、直訳するとwell「幸福な・願う」、being「状態・存在」ということですが、日本語では表現しにくいのでそのまま「ウェルビーイング」と使われることもあります。福祉はすべての人々の「健康で文化的な暮らし向きのよい状態」を具体的に実現することをめざしていますが、福祉といえば介護、というような狭い捉え方がなされる傾向があります。福祉の意味はもっと広いことを「ウェルビーイング」という言葉で表しています。社会の制度や施策に問題があれば改革し、人間がさまざまな問題を抱えていれば、それを改善・緩和・解決していくことがコミュニティ福祉の役割です。一人ひとりの存在を大切に考えることからwell-beingは始まります。学部の理念である「いのちの尊厳のために」と結びつけて考えていただきたいと思います。
コミュニティ政策学科では、リサーチ力・企画力・実行力をもってコミュニティの形成に貢献する人材(リーダー)を養成します。福祉学科では、全ての人が豊かに生きることをめざす「福祉マインド」を培い、社会のあらゆる分野で活躍できる人材を養成します。
コミュニティ政策学科について
政策とは「目的をもって意図的・計画的に現状に変化をもたらす手段を開発し、実施すること」と理解してください。コミュニティ政策は、産業・生産の領域を除いた生活領域(家族、住宅、健康、福祉、教育、スポーツ、文化、環境)の政策問題をテーマにしています。そうした政策は政府や自治体ばかりでなく、企業、NPO、ボランティアなどの市民参加活動によるコミュニティの総合力を結集して実現されるものです。
1年次から4年次まで少人数のゼミナール(演習)の学びを保証します。入学した学生を大学教育に導入できるよう「基礎演習」を設けています。「基礎演習」は、体験的に学ぶことの端緒を開き、大学における学習の基礎的技術を修得し、大学生活の人的環境への導入を図ることを目的としています。「フィールドスタディ」「コミュニティスタディ」など多彩なフィールド型科目を展開し、福祉やコミュニティの現場で起きていることを体験します。また、リサーチ力・分析力を問う資格である「社会調査士」を取得できるカリキュラムを備えています。コミュニティの現状と問題を把握し、問題意識を深め、政策につなげていくためには、リサーチ力・分析力がとても必要になるからです。さらに、「初級障がい者スポーツ指導員」の資格、「社会福祉主事」「児童指導員」の任用資格が取得できるカリキュラムも用意しています。
コミュニティ政策学科の卒業生については、政府、自治体、国際機関、NGO、NPO、一般企業など広い分野を想定しています。
福祉学科について
1年次から4年次まで小人数のゼミナール(演習)の学びを提供します。1年次には大学教育に導くための「基礎演習」(必修)を設けています。大学における学習の基礎的技術を習得するだけでなく、ディスカッションやグループ発表などによる参加型の学び体験を重ね、同級生との関係性を深めながら大学生活に自然となじんでいくことができます。2年次には「ソーシャルワーク演習1」、3年次は「ソーシャルワーク演習2」「インターンシップ」「キャリア形成演習」(選択)、4年次には「卒業研究」(選択)と、専門性を高めるゼミ形式での学びを展開しています。
福祉学科の教育の大きな柱は、国家資格である「社会福祉士」受験資格が得られるカリキュラムを備えていることです。現場に明るく強いソーシャルワーカーとなるために現場実習を軸に体系的かつ主体的な学びの機会を用意するとともに、様々な立場から社会福祉を支える人材となるように社会福祉の豊かな教養を身につけることのできる授業を用意しています。
「社会福祉士」は、介護福祉士とは異なる国家資格です。わたしたちが養成するソーシャルワーカー(福祉士)は、相談援助を中心に業務を行う職種で、市区役所などの行政機関、社会福祉協議会、病院、福祉施設、民間福祉機関などにおいて、社会福祉の専門的知識・技術を用いて相談に応じ人を援助する専門職です。
現場実習でソーシャルワーカーの業務を実際に見て体験することで、ソーシャルワーカーを目指す学生が多くいます。毎年3分の2の学生が現場実習を選択しています。専門知識や価値観に裏付けられた相談援助の現場を見ることでやりがいを感じ、一生の仕事にしようと決心する学生も少なくありません。社会福祉士の資格を生かして、福祉職採用の公務員・都道府県や市区町村の社会福祉協議会・各種福祉施設・病院などのソーシャルワーカー、福祉保健医療に関る団体の事務職を目指す学生が多くいます。その他、一般企業を目指す学生もいて、サービス、金融・保険、情報・通信、教育などの分野が多いようです。学んできたことを生かせる仕事を志向する傾向があります。
スポーツウエルネス学部
スポーツウエルネス学科について
ウエルネスとは、従来の「健康」よりももう少し広い概念で、心身の健康の他に人生の価値観、生きがい、さらには社会環境や自然環境なども含む考え方です。
ですから、学科の名称には、「健康」よりも広い意味を持つ、「ウエルネス」という言葉を用いました。コミュニティのウエルネスを実現する上で、障がいの有無、年齢に関係無く、すべての人が参加できる「スポーツ」が、大きな役割を持つことは言うまでもありません。なおこのようなコンセプトを進化させ、学内外との連携を図りながら研究を進める機関として2000年に立教大学ウエルネス研究所が設立されています。
スポーツウエルネス学科では、運動やスポーツを通して、障がいの有無や老若男女に係わらず、すべての人が健康で豊かに生きる社会にするためにはどうしたらよいのか、この問いに答えるべく、スポーツ科学やウエルネス科学を基盤として疾病の予防、運動処方といった健康運動の方法と福祉マインドを基礎にする支援について学びます。また医科学的アプローチによるスポーツパフォーマンス向上とそれを支える高度なスポーツ文化形成について学びます。スポーツウエルネス学科が目指すのは、スポーツと福祉の視点からコミュニティ全体の健康維持・増進を考えることです。
「健康運動」「スポーツパフォーマンス」という二つの領域を軸としたカリキュラム構成に特徴があります。「健康運動」領域では、運動・スポーツを通して個々人のウエルネスを向上するための理論と方法論の構築を目指します。「スポーツパフォーマンス」領域では、すべての人の適応可能性を広げ、スポーツパフォーマンスの向上と高度なスポーツ文化の創造に寄与するための理論と方法論の構築を目指します。この二つの領域によって、運動やスポーツの支援およびウエルネスの実現にむけた、身体運動・処方・援助・コミュニティシステム形成などについて専門的課題を追究できる教育研究過程が編成されています。
単にスポーツに関する専門知識を学ぶだけではなく、立教大学の教育理念であるリベラルアーツ教育に基づいた「スポーツマインド」、「福祉マインド」を育む幅広い教養を身につけるための教育課程を編成している点が大きく違います。スポーツパーソンシップに代表されるフェアプレイの精神、高いインテリジェンスと品格、相手を思いやるフェローシップ、社会性、道徳性などのスポーツマインド、福祉マインドと身体・健康・スポーツに関する知識を兼ね備えた人材は、社会が病んでいるといわれている今、大変重要な存在であると考えます。
卒業後は、健康運動・スポーツを通じて福祉社会、コミュニティづくりに寄与する人材の育成をはかるサービス、教育、企業など様々な領域での活躍が期待されます。また、スポーツクラブマネージャーやスポーツ活動を普及する人材、トレーナーやフィジカルコーチなど、アスリートを支援するコンディショニングスタッフ、そして、監督、コーチなどの指導スタッフ、教員、スポーツジャーナリストなどのスポーツを支える人材としての活躍が期待されます。 スポーツウエルネス学科では、スポーツを通したウエルネスの現場にじかに触れながら、人材の育成を行います。1年次の「基礎演習」による導入教育から、2年次の「スポーツウエルネスワークショップ」で現実社会が抱える課題にふれ、3年次の「専門演習」で各人の関心を深く掘り下げ、4年次の「卒業研究指導演習」で、4年間の成果をまとめます。また、関心を深く掘り下げる時期に、インターンシップによるキャリア教育を行い、実践を通して、健康・スポーツを取り巻く現在の環境に触れ、問題点や課題を見出し、それらを解決する力を育てます。
卒業後の進路について、領域別に明確に区分されるものではありませんが、それぞれの領域に関係させれば以下のような進路が考えられます。
【健康運動領域】
・福祉施設、医療施設、健康増進施設での健康運動分野
・フィットネス関係の企業
・地域スポーツ関係のNPO等の民間組織
・公務員
・健康運動関係の研究者
【スポーツパフォーマンス領域】
・中学校・高等学校の保健体育教員
・スポーツビジネス関係の企業
・スポーツコーチング、スポーツマスコミ分野
・民間企業
もちろんかまいません。「スポーツが好き」という理由は、最初のきっかけであると思います。スポーツウエルネス学科で展開する、スポーツに対する多角的なアプローチを学びながら、スポーツのどこが好きなのか、将来どのように関わっていくべきかを具体化していけばよいのではないでしょうか。そのための、多彩な科目群を担う教員の専門も、ウエルネス論、社会学、コーチ学、生理学、栄養学、医学、バイオメカニクス、心理学、方法学など多岐にわたっています。
立教大学には、「体育」という授業はなく、全学生を対象とした全学共通科目における「スポーツ実習」を配置しています。しかし必修ではなく、選択授業です。また本学科では、専門科目として「運動方法学演習(Ⅰ~Ⅵ)」(うちⅠ、Ⅱが必修)を配置しています。この科目では、自分の能力に応じた「スキルの獲得」も目指しますが、むしろスポーツの実践に向けた理論とその方法論や指導法の理解に力点があるので、運動が不得意でも心配はいりません。
体育の先生になるためには、スポーツ・健康に関する知識や、スキルを獲得しただけではその担い手として十分とは言えません。立教大学の教育理念であるリベラルアーツ教育に基づいた「スポーツマインド」、「福祉マインド」を身につけた教育者が必要と考えます。スポーツウエルネス学科では、このような幅広い教養を持った、教育者の育成に適した教育課程を編成しています。
現代心理学部
現代心理学部全体について
現代心理学部は、<心>、<身体>、<映像>をテーマとして21世紀の人間学を追究する学部です。この学部では、心と身体とその周りの環境がお互いに影響しあって、一人ひとりの「人間」が形成される、というとらえ方をします。つまり、「人間」を知るために、その<心>だけではなく、<身体>、つまり<からだ>と、それを取り巻く環境のなかで重要なものの一つである<映像>についても追究しよう、ということです。そして、そのために、実験や制作・パフォーマンスを重視した体験型の授業を積極的に取り入れます。
「学部コラボレーション科目」は、心理学科、映像身体学科の2学科が、互いの融合をはかることを目指して開講される科目です。具体的には、心理、身体、映像に総合的に関わる<融合領域>、認知科学を中心に現代の心理学の成果を学ぶ<認知行動領域>、また身体と映像をめぐる思想や芸術表現などを扱う<表現思考領域>の3領域からなります。さらに、1年次前期に必修科目として設けられた「現代心理学入門」では、複数の教員によるリレー講義を通して、<現代心理学とは何か>を基本から明快に説き明かします。
心理学科について
心理学科のカリキュラムには、三つの大きな柱があります。一つ目は、心理学の基礎領域(実験を中心とした科学的方法で心の法則を探る)、二つ目は、応用領域(発達、社会、産業心理学など、現実生活への心理学を応用する)、三つ目は、臨床心理学領域(心身の健康促進、援助を探求する)です。この三本柱の境界領域として、近年、注目されている認知心理学、応用行動分析、心身医学といった領域を新たに展開します。すなわち、最新のアプローチで人間の<こころ>と<からだ>の関係について学ぶことができます。また、学部共通科目では、<身体>、つまり<からだ>と、人間の<こころ>に大きな影響を与えている映像と心理の関係についても学ぶことができます。
実験室などの施設に関しても、新座キャンパスでは充実した設備を備えています。
実証的、科学的な思考・方法の学びによって、客観性、論理性をもつ人を育てると同時に、人間学的、臨床的な視点・姿勢の学びによって、豊かな共感性、人間関係をもつ人を育てます。
認知心理学、比較認知心理学、学習心理学、知覚心理学、応用行動分析学、発達心理学、社会心理学、臨床心理学、コミュニティ心理学、産業心理学、精神医学などです。
人はどれほど物事を一度に覚えられるか、どれほど環境を正確に見ているかといった記憶や知覚などの実験の他、身体の生理的反応や知能や性格の検査にいたるまで、興味深い内容が幅広く含まれています。
授業用の実験室はもちろん、その他、ハトやリスザルの実験室や、行動観察や心理相談のための部屋など、充実した施設を備えています。
心理学の知識や技術を活かした幅広い進路が想定されます。たとえば一般企業における商品開発や人事関係の職種、公務員の心理職などが考えられます。また、臨床心理士や研究者になるための大学院進学などの道も考えられます。
次のどちらかを経ると受験資格が取得でき、さらに国家資格試験に合格して、公認心理師になれます。
①心理学科にて指定科目の単位を取得した後、省令が定める機関において、定められた実務経験を経る。
②心理学科にて指定科目の単位を取得し、さらに、博士課程前期課程にて指定科目の単位を取得(本学臨床心理学専攻で指定科目を開講します)する。
詳細は、下記サイトでご確認ください。
臨床心理士は精神的に悩む人たちの相談に応じ、援助すると同時に、心の健康を促進する心の専門家です。この資格試験を受験するには、日本臨床心理士資格認定協会の指定を受けた大学院修士課程(博士課程前期課程)の修了が必須です。
本学の大学院現代心理学研究科臨床心理学専攻は、この第1種指定大学院の認定を受けています。
研究者として将来性が認められる学生は大学院(現代心理学研究科心理学専攻、臨床心理学専攻)への内部推薦入試を受けることも可能です。内部推薦入試は、本学心理学科で基準以上の学業成績を修めた者が、教員の推薦を得て受験できる、筆記試験を免除した入試です。
映像身体学科について
映像と身体を中心テーマとして学んでいくのがこの学科の特色です。密接に関わりあっている<こころ>と<からだ>、その両方に強い影響を与えるのが環境です。特に、現代に生きる私達にとって、テレビや映画、インターネット、写真などの映像は、最も影響力のある環境の一つといえます。本学科では、すべての学生が身体学と映像学の基礎を学びます。人間のからだを映し出すのが映像なら、その映像を見て何かを感じるのもまた人間のからだです。両者を切り離すことなく考えようという視点から生まれたのが「映像身体学科」です。
映像と身体に関する哲学、社会学などの専門家以外に、プロの映画監督、舞踊家、演出家などが教授陣に加わります。専門分野には、映像身体論、身体哲学、身体社会論、アジア身体論、身体表現論、映像哲学、映像社会論、映像表現論、映像マネジメント、広告論、知覚心理学、比較認知心理学などがあります。
映像と身体にかかわる理論および技法を総合的に身につけ、しなやかな発想と行動力をもって、21世紀の知的、芸術的活動を推進する人材を養成します。次の時代へ引っ張っていく発想力、構想力を身につけることを目指します。
芸術的な要素を多く含んだ授業もありますが、本質的な学問系列でいえば、本学科は人文系と言っていいでしょう。この学科のカリキュラムに映像制作やダンス、演劇などがあるのは、そういう創造的な技法を体験しながら、人間とは何か、人間に何ができるか、をとことん追求するためです。その結果、映像身体学科から本格的なアーティストが誕生すれば、それは素晴らしいことです。
専門展開科目の中に、ワークショップという形式の授業があります。この学科では、身体と映像とを単に机上の理論的問題とするだけでなく、それらを知覚、思考、表現の素材として駆使する技法をもすすんで学びます。
具体的には映像制作、演劇、ダンスの他、気功、武術などのワークショップを行います。演劇、舞踊、整体などの専門家はそれだけが優れているのではなくて、とても優れた身体論と深い洞察を持っています。ワークショップでは、その人が実際にやっていることを、その人について学生もやってみて、その人の身体論をその技と共に学んでいくことをねらっています。また、映像とは何か(人の知覚や思考にどのような影響を与えるのか)という問題をデジタルシネマや映像ドキュメントの制作を通して実際に学びます。これらの実践を通じて、映像と身体の関係を認識することも課題となります。
放送・広告・映像、メーカー、サービス、不動産、小売業、運輸・通信等幅広い業種で卒業生が活躍していますが、この学科で身に付けた思考力、実践力はどのフィールドでも貢献できると考えています。
心理学科科目が履修でき、一定の条件内で卒業要件単位にも認められています。
1年次では、身体と映像両方について全員が基礎的なことを学びます。2年次以降中心となるカリキュラム(専門展開科目や特別講義)に関しては、最低限履修しなければならない単位数は決められていますが、分野では、各自の興味に応じて選択することができるようになっています。
この学科の身体関連の一つとして、ダンスを取り入れた授業があります。具体的には、2年次後期から履修可能なワークショップなどです。人間の<こころ>と<からだ>の関係、映像との関係を学ぶための実践として、カリキュラムに組み込まれています。ワークショップで展開されるダンスのジャンルは、バレエ、ヒップホップ、ジャズなど、固定されたものではありません。身体を動かすパフォーマンスや、さまざまな身体表現を行うと考えてください。
機材を扱う授業は必修科目ではなく、選択科目の一部として履修できます。
Global Liberal Arts Program(GLAP)
カリキュラムについて
主な特長として、次の5点があります。
1、原則として英語による科目で学位取得できるコースであることです。Late Specializationの考え方に基づき、入学後は幅広い分野を学び、留学後に自身の興味・関心に合わせて専門分野を選択し、掘り下げて学んでいきます。
2、1学年20名という個別指導が行き届く教育環境で授業を行うことです。
3、留学先での寮生活を視野に入れ、国際交流が可能な提携寮に入寮することができます(希望入寮制)。
4、2年次秋学期から3年次春学期の1年間は、原則、全員が海外のリベラルアーツ大学等へ留学することです。
5、正課授業に加えて、正課授業外での学び、留学生との交流を通じた学び、授業をサポートする形での学び(ステューデント・アシスタント活動)など、学生生活の全てが学びになることです。
最大5名で行う少人数教育です。この教育手法は、英国のオックスフォード大学・ケンブリッジ大学や米国のアマースト大学などのLiberal Arts Collegeで採り入れられています。
学生は事前学習として、予め指定された課題に関連した課題図書を講読し、essayを作成します。
授業では、事前に作成したessayを基に教員や他の履修者と議論を行います。
これらを通じて、読解力、文章作成能力、課題図書や他の履修者の考えに対する批判的思考力、プレゼンテーション能力等を身に付けることができます。なお、文章作成能力の向上を促すため、作成したessayには、教員からのフィードバックが行われます。
Tutorialによって「思考力」、「変革力」及び「共感・協働力」の基礎となる大学生としての学び方、思考法すなわち「学びの技法」を身に付けます。
他学部の科目は、アカデミック・アドバイザーに相談の上、履修することもできますが、GLAPのカリキュラムとして開講される必修科目・選択科目を修得することが優先して求められます。他の学部専門教育科目等を履修した場合、16単位まで自由科目として卒業要件単位に算入されます。
講義科目等において他学部生も履修可能な科目もあります。
現時点においては、立教大学への入学後にGLAPへの所属変更は認められません。
GLAPは、英語を学ぶのではなく、英語で「リベラルアーツ」を学ぶプログラムです。リベラルアーツとは、自由に学問を探求し、視野を広げ、さまざまなものの考え方を理解する学びで、立教大学の教育の特長的なものです。立教大学では、これまでも、学部の専門教育科目に加え、全学部の協力のもと、「専門性に立つ教養人」を育成することを目標とした全学共通科目(旧全学共通カリキュラム科目)を展開し、リベラルアーツの学修を提供してきました。創立以来培ってきた本学の経験を結集した「リベラルアーツ」を英語で学び、日本にいながら常に「世界」を意識できる環境に身を置くことができるGLAPは他大学の国際系学部と一線を画するものと考えています。
奨学金について
GLAP生のための独自の奨学金を2つと海外留学のための奨学金を設けています。
「立教大学GLAP奨学金」
経済支援を目的とした返還不要の入学前予約型奨学金です。若干名に年額120万円を支給します(原則4年間、継続に伴う審査あり)。国際コース選抜入試(GLAP)秋季出願者のみが対象。出願者の家計の収入状況を審査し、困窮度の高い学生が採用されます。
「立教大学学業奨励奨学金(GLAP)」
2年次生以上が対象となる、学業成績に優れた学生を対象とする奨学金です。各学年2名に年額20万円を支給します。
「立教大学グローバル奨学金」
2年次からの海外留学にあたり支給される奨学金です。
家計審査により、留学時に40万円もしくは20万円を支給します。
その他、外部の奨学金として、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金等の受給も可能です。