ALA「司書職の中核にある価値観」翻訳プロジェクト司書課程
【2024年9月6日追記】2024年1月にALA理事会は新たな「Core Values of Librarianshp」を採択しています。その翻訳はこちらには掲載しておりません。ご注意ください。
立教大学の司書課程は図書館情報学の専門課程ではなく、国家資格である図書館司書資格と学校図書館司書教諭資格の付与のための科目群を提供する課程です。とはいえ、今やそれらの資格の取得者の活躍の場は図書館に限られていませんし、実際、本学の司書課程の履修生の多くは図書館以外の就職を選択しています。しかし、司書課程主任の私は、ライブラリアンシップ(Librarianship)については「図書館概論」の授業中でしっかり伝えたいと考えてきました。同科目は本学では司書課程の学修のはじめに履修するべきとされており、この科目の単位修得がそれ以外の司書課程科目履修の条件となっているという、そういう科目です。
ライブラリアンシップとは何かを、図書館で働く限り、もしくは図書館専門職としての資格を取得するからには、理解している必要があると考えます。この言葉を、日本の図書館関係者たちは理解しようと努力し続けてきました。九州大学の司書官、京都大学附属図書館の事務部長を務め、関西の図書館情報学界の重鎮であった岩猿敏生先生は、次のように述べておられます。ライブラリアンシップと図書館[情報学]の関係を的確に指摘した文章として、これに、私は留学して図書館情報学を学んだときの経験や理解との一致を感じ、共感いたします。長くなりますが、以下に引用いたします。
米国では、1928年にシカゴ大学が全米初の博士課程をもつ図書館情報学大学院を設立しました。この際に、「シカゴ大学図書館学大学院の研究者は、それまでこの分野で使われてきたライブラリアンシップという広義の言葉を却下して、ライブラリーサイエンスを用い」 、また「従来の図書館学校がめざしてきた図書館にかかわる実務からなるライブラリアンシップの教育は、この大学院の中核とはならなかった」と言われます(吉田右子・川崎良孝「C.図書館情報学」日本図書館協会図書館ハンドブック編集委員会編『図書館ハンドブック 第6版』同協会,2005. 引用はp.33.)。ですが、そのような大学院を修了したライブラリアンたちの会話の中では今もライブラリアンシップという言葉はよく聞きます。そして、卵が先か鶏が先かわかりませんが、アメリカ図書館協会(American Library Association: ALA)は、今回、翻訳した、「Core Values of Librarianship」として、ライブラリアンシップの信念を謳った文書を公表しています。
日本の図書館情報学教育史において、「ライブラリアンシップ」という言葉がどのように扱われてきたかを、筆者も編集に参加した『図書館情報学教育の戦後史:資料が語る専門職養成制度の展開』(中村百合子,松本直樹,三浦太郎,吉田右子編著,ミネルヴァ書房,2015.)に収載された重要文書でたどってみると、その語の登場回数は多くありませんでした。
まず、戦後直後に慶應義塾大学にJapan Library Schoolが設立された際に作成された英語のパンフレット中には、「Librarianship」の語が散見され、「IV WHAT IS MEANT BY LIBRARY SCIENCE, LIBRARIANSHIP, LIBRARY STUDIES」というセクションがあります。そこにある三つの語の説明の一部を訳してみますと、次のようです。
次には、1963年に日本図書館協会内に、図書館職員養成所を大学に昇格することについて検討するべく特別委員会が置かれ、1965年には『図書館教育改善委員会報告』が公にされましたが、その中に「ライブラリアンシップ」の語が散見されます。「公共図書館専門職員の養成に必要な図書館学教育の課程」および「大学図書館専門職員の養成に必要な図書館学教育の課程」には、「図書館概論(2単位)」が提案され、この科目は「ライブラリアンシップの本質を説明し、社会におけるその重要性と役割を考察する」ものと説明されています。また、「特殊専門図書館専門職員養成に必要な図書館学教育の課程」には「図書館通論(2単位)」が提案され、この科目では「図書館経営上の原理を明らかにし、図書館の機構および各種業務の組織、人事、財政、図書館総合協力、その他経営上の一般論とともにライブラリアンシップの本質を説明し、その重要性と役割を考察する」とされています。ちなみに「学校図書館の専門的職務に従事する教育[ママ]の養成に必要な図書館学の課程」および「大学における図書館[学]教育の課程編成についての諸類系」には「ライブラリアンシップ」の語は出てきません。(「図書館学教育改善試案(抄)」前掲書,p.759-769. 引用はp.759, 761, 764.)
また、筑波大学図書館情報メディア系の前身である国立の図書館情報大学が設立される前、1978年に、図書館大学(仮称)創設準備委員会が記した文書には、基本構想が論じられる中に、次のように、「ライブラリアンシップ」というカタカナ語が見られます。「(2)広い学問領域にわたる総合的な基礎知識を背景に、図書館情報活動に必須の専門的知識・技術とこれを再構成していく応用能力を備えさせ、かつ、ライブラリアンシップを養う教育を行う。」 しかし、その後の同大学設置に向かう議論の中で、この言葉は消えています。(「図書館大学(仮称)の構想について(抄)」前掲書,p.275-276. 引用はp.276.)
以上のように、ライブラリアンシップという言葉は、日本の図書館情報学教育史においても、折々に用いられてきましたが、やはり伝わりづらさがあったということか、単発的に用いられるに終わってきたようです。ただ、筆者はライブラリアンシップという言葉は、他の言葉に取って代えることができない、図書館専門職の仕事を一言で表す、大変重要な言葉であると考えています。しかし、悩みに悩み、議論に議論を重ねたうえで、今回の翻訳では「Librarianship」を「司書職」と訳しました。もう一つの重要部分である「中核にある価値観(Core Values)」との関係から、「司書職」とシンプルな日本語で表現することで(する方が)十分に伝わると考えたためです。
ところで、今回の翻訳では“Core Values”は、これもまた訳語選択に大いに悩みました。近年、企業をはじめとする組織体は、日本でも、ミッション、ビジョン、コアバリューズを明文化して、HP等で広報するようになっていることはみなさんもご存じと思います。先進諸外国の図書館でも同じことがされるようになっていて、かつ、国内でも、次のようなことが言われ、大学図書館の戦略的な位置づけの明確化と具体的な戦略の立案・実施の必要性が広く知られるようになっています。例えば、京都大学図書館機構は2007年に「京都大学図書館機構の基本理念と目標」を、筑波大学は2012年に「附属図書館の使命と目標」を、関西学院大学図書館は2016年に目的と目標を、明文化し公表しています。これらは、ミッションやビジョンにあたるものと思われます。
一方で、東京都立産業技術大学院大学の板倉宏昭教授が書かれた経営学の概説書をみますと、「本来のミッションとは企業の存在理由を表現したステートメントであり、本来のビジョンとは、企業のあるべき姿、理想像を表現した文章である。また、バリューは、組織体として提供したい価値である。これら三つを合わせて経営理念とよぶことにする。」と述べられています(板倉宏昭『新訂 経営学講義』勁草書房,2017. 引用はp.18.)。日本国内の図書館では「バリュー」が明文化されず、議論もされていないのかもしれない点が今も気になっています。組織とは何か、いかに働き生きるかということに対する彼我の文化の違いによるものかなどと考えていますが、このことについては稿を改めることが適切でありましょう。また、ここでは、日本語の資料を簡単に見直して、ライブラリアンシップの日本における受容史を辿ることを試みましたが、原語のLibrarianshipという言葉についても、いつか歴史を含めて整理してみたいと思っています。
最後になってしまいましたが、2018年に筆者が立教大学図書館長を務めることになった際、同じく図書館に異動してこられた藤原芳行事務部長(当時)が「Core Values of Librarianship」の文書を見つけてきて、「Standards for Libraries in Higher Education」と共に示し、これらが筆者が館内の人たちに語りはじめていた内容を伝えるための重要文書ではないかという趣旨の問いかけをされました。このことをここに記して、藤原氏に、貴重な機会、指摘をくださったことに対して改めて御礼を申しあげます。過去、なぜこの文書を翻訳しようと思わなかったのだろうと今になると思います。この翻訳にあたっては、立教大学図書館の職員のみなさま、また司書課程のハモンドエレン特任教授から貴重なアドバイスを数多くいただきました。ほんとうにありがとうございました。
立教大学の司書課程は図書館情報学の専門課程ではなく、国家資格である図書館司書資格と学校図書館司書教諭資格の付与のための科目群を提供する課程です。とはいえ、今やそれらの資格の取得者の活躍の場は図書館に限られていませんし、実際、本学の司書課程の履修生の多くは図書館以外の就職を選択しています。しかし、司書課程主任の私は、ライブラリアンシップ(Librarianship)については「図書館概論」の授業中でしっかり伝えたいと考えてきました。同科目は本学では司書課程の学修のはじめに履修するべきとされており、この科目の単位修得がそれ以外の司書課程科目履修の条件となっているという、そういう科目です。
ライブラリアンシップとは何かを、図書館で働く限り、もしくは図書館専門職としての資格を取得するからには、理解している必要があると考えます。この言葉を、日本の図書館関係者たちは理解しようと努力し続けてきました。九州大学の司書官、京都大学附属図書館の事務部長を務め、関西の図書館情報学界の重鎮であった岩猿敏生先生は、次のように述べておられます。ライブラリアンシップと図書館[情報学]の関係を的確に指摘した文章として、これに、私は留学して図書館情報学を学んだときの経験や理解との一致を感じ、共感いたします。長くなりますが、以下に引用いたします。
[1949年の東西分裂後の西ドイツにおいて]伝統的な図書館学が再検討をせまられてきたことから、図書館学論が起こってくるが、それはまた同時に、司書職の本質論と、それを踏まえた養成論に深く結びついているのである。司書職とは何かを問うことは、司書職の根源的な立脚点を問うことであり、その根源的な立脚点は、また同時に、図書館学の成立してくる基盤である。このように、司書職論は図書館学論と根源的に結びつくものであって、なにか科学めいた図書館学がなければ、司書職がプロフェッションになりにくいと言った、装飾的な意味で、司書職が図書館学を要請するのではない。
英国においては、図書館学校はSchool of Librarianshipと称するところが多い。ライブラリアンシップという言葉に当たる適切な日本語を見出すことは困難である。シップという接尾語は、たとえば、スポーツマンシップとか、フレンドシップと使われるように、一般にはcondition、characterまたはskill等を示す。したがって、ライブラリアンシップも、言葉としては、司書職としての本来あるべき条件なり、性格なり、あるいは技能を意味することになる。要するに、司書職の根源的な立脚点を意味することになろう。そのような根源的な立脚点は、前述のように図書館学の成立する基盤である。ライブラリアンシップという言葉が、図書館学をも意味しうる所以である。そのことは、図書館学は司書職の本質というものと、根源的に結びついていることを示している。
(岩猿敏生「図書館学論とライブラリアンシップ:「図書館の科学」をめぐって」日本図書館学会研究委員会『図書館学の研究方法』日本図書館協会(論集・図書館学研究の歩み 第2集),1982,p.7-24. 引用はp.21.)
米国では、1928年にシカゴ大学が全米初の博士課程をもつ図書館情報学大学院を設立しました。この際に、「シカゴ大学図書館学大学院の研究者は、それまでこの分野で使われてきたライブラリアンシップという広義の言葉を却下して、ライブラリーサイエンスを用い」 、また「従来の図書館学校がめざしてきた図書館にかかわる実務からなるライブラリアンシップの教育は、この大学院の中核とはならなかった」と言われます(吉田右子・川崎良孝「C.図書館情報学」日本図書館協会図書館ハンドブック編集委員会編『図書館ハンドブック 第6版』同協会,2005. 引用はp.33.)。ですが、そのような大学院を修了したライブラリアンたちの会話の中では今もライブラリアンシップという言葉はよく聞きます。そして、卵が先か鶏が先かわかりませんが、アメリカ図書館協会(American Library Association: ALA)は、今回、翻訳した、「Core Values of Librarianship」として、ライブラリアンシップの信念を謳った文書を公表しています。
日本の図書館情報学教育史において、「ライブラリアンシップ」という言葉がどのように扱われてきたかを、筆者も編集に参加した『図書館情報学教育の戦後史:資料が語る専門職養成制度の展開』(中村百合子,松本直樹,三浦太郎,吉田右子編著,ミネルヴァ書房,2015.)に収載された重要文書でたどってみると、その語の登場回数は多くありませんでした。
まず、戦後直後に慶應義塾大学にJapan Library Schoolが設立された際に作成された英語のパンフレット中には、「Librarianship」の語が散見され、「IV WHAT IS MEANT BY LIBRARY SCIENCE, LIBRARIANSHIP, LIBRARY STUDIES」というセクションがあります。そこにある三つの語の説明の一部を訳してみますと、次のようです。
ライブラリアンシップ、ライブラリー・サイエンス、ライブラリー・スタディーズは、ほとんど言い換え可能な言葉として使われているかもしれない言葉です。今日のアメリカでは、しばしばそうなっています。例えば、学問的な意味でのライブラリアンシップ、ライブラリー・サイエンス、ライブラリー・スタディーズの語義は、もはや、メディスン、メディカル・サイエンス、メディカル・スタディーズの間の語義の色合い以上の違いはありません。(中略)専門職ライブラリアン(The professional librarian)とはライブラリー・スクールの修了生のことであり、ライブラリー・サイエンスを提供する人たちであり、図書館という機関のチャンネルを通してその人はライブラリアンシップの実践者となる。まさに医師が医学の実践者であるように。
(「JAPAN LIBRARY SCHOOL ANNOUNCEMENT CATALOG」前掲書,p.252-263. 引用はp.255-256.)
次には、1963年に日本図書館協会内に、図書館職員養成所を大学に昇格することについて検討するべく特別委員会が置かれ、1965年には『図書館教育改善委員会報告』が公にされましたが、その中に「ライブラリアンシップ」の語が散見されます。「公共図書館専門職員の養成に必要な図書館学教育の課程」および「大学図書館専門職員の養成に必要な図書館学教育の課程」には、「図書館概論(2単位)」が提案され、この科目は「ライブラリアンシップの本質を説明し、社会におけるその重要性と役割を考察する」ものと説明されています。また、「特殊専門図書館専門職員養成に必要な図書館学教育の課程」には「図書館通論(2単位)」が提案され、この科目では「図書館経営上の原理を明らかにし、図書館の機構および各種業務の組織、人事、財政、図書館総合協力、その他経営上の一般論とともにライブラリアンシップの本質を説明し、その重要性と役割を考察する」とされています。ちなみに「学校図書館の専門的職務に従事する教育[ママ]の養成に必要な図書館学の課程」および「大学における図書館[学]教育の課程編成についての諸類系」には「ライブラリアンシップ」の語は出てきません。(「図書館学教育改善試案(抄)」前掲書,p.759-769. 引用はp.759, 761, 764.)
また、筑波大学図書館情報メディア系の前身である国立の図書館情報大学が設立される前、1978年に、図書館大学(仮称)創設準備委員会が記した文書には、基本構想が論じられる中に、次のように、「ライブラリアンシップ」というカタカナ語が見られます。「(2)広い学問領域にわたる総合的な基礎知識を背景に、図書館情報活動に必須の専門的知識・技術とこれを再構成していく応用能力を備えさせ、かつ、ライブラリアンシップを養う教育を行う。」 しかし、その後の同大学設置に向かう議論の中で、この言葉は消えています。(「図書館大学(仮称)の構想について(抄)」前掲書,p.275-276. 引用はp.276.)
以上のように、ライブラリアンシップという言葉は、日本の図書館情報学教育史においても、折々に用いられてきましたが、やはり伝わりづらさがあったということか、単発的に用いられるに終わってきたようです。ただ、筆者はライブラリアンシップという言葉は、他の言葉に取って代えることができない、図書館専門職の仕事を一言で表す、大変重要な言葉であると考えています。しかし、悩みに悩み、議論に議論を重ねたうえで、今回の翻訳では「Librarianship」を「司書職」と訳しました。もう一つの重要部分である「中核にある価値観(Core Values)」との関係から、「司書職」とシンプルな日本語で表現することで(する方が)十分に伝わると考えたためです。
ところで、今回の翻訳では“Core Values”は、これもまた訳語選択に大いに悩みました。近年、企業をはじめとする組織体は、日本でも、ミッション、ビジョン、コアバリューズを明文化して、HP等で広報するようになっていることはみなさんもご存じと思います。先進諸外国の図書館でも同じことがされるようになっていて、かつ、国内でも、次のようなことが言われ、大学図書館の戦略的な位置づけの明確化と具体的な戦略の立案・実施の必要性が広く知られるようになっています。例えば、京都大学図書館機構は2007年に「京都大学図書館機構の基本理念と目標」を、筑波大学は2012年に「附属図書館の使命と目標」を、関西学院大学図書館は2016年に目的と目標を、明文化し公表しています。これらは、ミッションやビジョンにあたるものと思われます。
大学図書館は、その果たすべき役割・機能の変化を踏まえ、中・長期的な将来計画を策定し、全学的な理解を得ることを通して、大学全体の将来構想並びにアクションプランの中で、重要な学術情報基盤としての大学図書館の戦略的な位置付けを明確化し、学内外にアピールしていくことが重要。また、図書館長の学内的な位置付けを高めるとともに、リーダーシップを発揮できる体制の構築が必要。(中略)大学図書館は、大学全体の目標・計画に基づく、具体的な戦略を主体的に立案し実施し、また、それに連動して独自の点検・評価システムを導入することにより、定期的な評価結果を運営に反映させるという循環を定着させる必要がある。(文部科学省科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会学術情報基盤作業部会「大学図書館の整備について(審議のまとめ)-変革する大学にあって求められる大学図書館像」2010.10.)
一方で、東京都立産業技術大学院大学の板倉宏昭教授が書かれた経営学の概説書をみますと、「本来のミッションとは企業の存在理由を表現したステートメントであり、本来のビジョンとは、企業のあるべき姿、理想像を表現した文章である。また、バリューは、組織体として提供したい価値である。これら三つを合わせて経営理念とよぶことにする。」と述べられています(板倉宏昭『新訂 経営学講義』勁草書房,2017. 引用はp.18.)。日本国内の図書館では「バリュー」が明文化されず、議論もされていないのかもしれない点が今も気になっています。組織とは何か、いかに働き生きるかということに対する彼我の文化の違いによるものかなどと考えていますが、このことについては稿を改めることが適切でありましょう。また、ここでは、日本語の資料を簡単に見直して、ライブラリアンシップの日本における受容史を辿ることを試みましたが、原語のLibrarianshipという言葉についても、いつか歴史を含めて整理してみたいと思っています。
最後になってしまいましたが、2018年に筆者が立教大学図書館長を務めることになった際、同じく図書館に異動してこられた藤原芳行事務部長(当時)が「Core Values of Librarianship」の文書を見つけてきて、「Standards for Libraries in Higher Education」と共に示し、これらが筆者が館内の人たちに語りはじめていた内容を伝えるための重要文書ではないかという趣旨の問いかけをされました。このことをここに記して、藤原氏に、貴重な機会、指摘をくださったことに対して改めて御礼を申しあげます。過去、なぜこの文書を翻訳しようと思わなかったのだろうと今になると思います。この翻訳にあたっては、立教大学図書館の職員のみなさま、また司書課程のハモンドエレン特任教授から貴重なアドバイスを数多くいただきました。ほんとうにありがとうございました。
2021年3月30日
中村百合子(司書課程主任)