国際報道の最前線に立つ。「戦争の記憶」を扱った特集やルポルタージュの書籍化も

『ニューズウィーク日本版』記者/編集者 小暮 聡子さん

2023/01/27

立教卒業生のWork & Life

OVERVIEW

法学部政治学科を卒業し、『ニューズウィーク日本版』で記者・編集者として仕事をされる小暮 聡子さんからのメッセージです。

東日本大震災の取材で訪れた宮城県気仙沼市の唐桑半島にて ©岡原功祐 / Kosuke Okahara

アメリカに本社を置く国際ニュース週刊誌『Newsweek』。その日本版において、小暮聡子さんは記者・編集者として活躍している。「国際ニュースを扱う現職を目指したのは、海外と日本それぞれの情報を正確に伝え、双方をつなぐ懸け橋のような存在になりたいと考えたからです。長年報道に携わる中で、好奇心や探究心はもちろん、行動力も重要だと実感します」と語る。

2016年、ニューヨーク支局に駐在中だった小暮さんは、日本への原子爆弾投下を指示したハリー・S・トルーマン元米大統領の孫にインタビューを実施。その翌年には、コロンビア大学のキャロル・グラック教授(歴史学者)に「戦争の記憶」について特別講義を依頼し、全4回の講義録を特集記事にした。

「私は高校時代から、同じく記者だった祖父の戦争体験について調査を続けながら就職した経緯があり、『戦争の記憶』はライフワークになっています。今年の4月には、亡き祖父の原稿と私が書いたルポルタージュを合わせ、『降伏の時 元釜石捕虜収容所長から孫への遺言』という書籍を出版しました」

小暮さんの転機になったのが、立教大学時代のケント州立大学への派遣留学だ。「オハイオ州で政治関連の授業を半年間受けた後、大学オリジナルのプログラムに参加してワシントンへ。現地で指導教官や学生と一緒に共同生活しながら、日本メディアのワシントン支局でインターンシップを経験しました。くしくもイラク戦争が起きた時期で、国際政治が動いていく様子を目の当たりにしたことは忘れられません。必死でニュースを聴き、新聞を読み、アメリカ人の仲間たちと議論しつつ、深夜までレポートを書いた経験は大きな宝物になっています」と振り返る。

大学4年次のアメリカ留学。ケント州立大学の学生たちと米連邦議会議事堂にて

帰国後は英字新聞への記事寄稿や海外メディアの取材サポートなどをしながら、立教大学を卒業。イギリスの大学院を経て社会人になった小暮さんは、後進に向けてこう語る。

「『やらずに後悔するより、やって後悔した方がいい』という言葉があります。心が動くきっかけに出合えた時は行動あるのみ。学生時代の失敗は後で挽回できます。没頭した時間は一生の財産になるので、大学生活を存分に楽しんでください」

コロンビア大学での「戦争の記憶」に関する講義を基に編集した全4回の特集。2019年には講談社から書籍化された

『降伏の時 元釡石捕虜収容所長から孫への遺言』(岩手日報社)

プロフィール

PROFILE

小暮 聡子さん

『ニューズウィーク日本版』
記者/編集者
2004年 法学部政治学科卒業

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