公開シンポジウム「文学・映像・戦争・政治 20世紀フランス文学は語る—マルグリット・デュラスを中心に」
INFORMATION
芸術表現は今、社会とどのような形で向き合い、何を提言できるのか?この問題に対して、21世紀の文学が提言できる回答の可能性を探るために、本シンポジウムではフランスを代表する20世紀女性作家マルグリット・デュラスに焦点をあて、文学、演劇、映像、ジャーナリズムなど多岐にわたる言語活動に携わった作家の変容を、言語表現史という枠組から問い直すことで、21世紀の言語表現の変遷の広がりを測るものである。本シンポジウムは学術研究の最新の成果を討議し合う有意義な場とすべく、デュラス研究の第一人者であるロバート・ハーヴィー氏をアメリカから招聘し、学術的な観点から討議するほか、政治・哲学の専門家に参加いただき、忌憚(きたん)なき意見交換を通して、21世紀の言語ポリティクスを広く討論する国際シンポジウムを目指すものである。使用言語:日本語およびフランス語(通訳あり)
講師
ニューヨーク市立大学教授
ロバート・ハーヴィー 氏
ニューヨーク市立大学教授。マルグリット・デュラス研究第一人者の一人で、数々のシンポジウムや共著を手掛ける。共著に『マルグリット・デュラスの書いたもの—作品と批評年譜』がある。プレイヤード叢書のデュラス全集で執筆を担当。
京都大学教授
大浦 康介 氏
京都大学教授。専門は文学批評とフィクション理論。編著に『フィクション論への誘い』(世界思想社)、共編著に『哲学を読む——考える愉しみのために』(人文書院)など。
文芸評論家、翻訳家
陣野 俊史 氏
文芸評論家、翻訳家。専門は20世紀フランス文学。著書に『戦争へ、文学へ』(集英社)、『世界史の中のフクシマ ナガサキから世界へ』(河出ブックス)ほか多数。
帝京大学専任講師
村石 麻子 氏
帝京大学専任講師。マルグリット・デュラス作品における宗教の問題を専門とする。博士論文『La Bible et Marguerite Duras : réécriture et relecture selon l’incroyante』(2010年、ストラスブール大学)ほか。
国際基督教大学専任講師
オリヴィエ・アムール=マイヤール 氏
国際基督教大学専任講師。共著書に『マルグリット・デュラスの東洋』(ロドピ社)など
本学名誉教授
宇野 邦一 氏
国際基督教大学専任講師。共著書に『マルグリット・デュラスの東洋』(ロドピ社)など
本学教授
田崎 英明
本学教授、ジェンダーを社会学・政治学的な枠組みから問い直す身体社会論・身体政治論が専門。著書に『夢の労働労働の夢』(青弓社)など。
本学特任教授
西谷 修
本学特任教授。専門はフランス文学、現代思想。著書に『離脱と移動——バタイユ・ブランショ・デュラス』(せりか書房)、『世界史の臨界』(岩波書店)など。
本学教授
澤田 直
本学教授。専攻はフランス現代思想、フランス語圏文学。著書に『〈呼びかけ〉の経験』(人文書院)、『ジャン=リュック・ナンシー』(白水社)など。
《通訳》
本学教育研究コーディネーター
関 未玲
本学教育研究コーディネーター。博論『マルグリット・デュラスにおけるエクリチュールの差異化』を2011年にパリ第3大学に提出。
詳細情報
名称
内容
開会の辞 澤田直
10:15-11:45
第1部「文学 / 政治」(日本語)
司会 :小倉和子
登壇者:大浦康介、宇野邦一、田崎英明
12:45-14:15
第2 部「Duras dans sa politique」(フランス語、通訳なし)
司会 澤田直
登壇者 :Olivier Ammour-Mayeur、村石麻子、関未玲
14:45-16:15
第3 部「 戦争 × 文学 × 映像」(日本語)
司会 :宇野邦一
登壇者 :西谷修、陣野俊史、澤田直
16:45-17:45
特別記念講演:Robert Harvey (フランス語、発表内容の翻訳配布あり)
« Crime et sublime : l'après-guerre, la politique et Marguerite Duras »
(罪と崇高:戦後、政治、マルグリット・デュラス)
17:50-18:00
閉会の辞 田崎英明
対象者
※申込不要、入場無料