2016年度異文化コミュニケーション学部連続講演会
“Displacement(強制的な移動/流動)”
第3回講演会「海と陸のはざまで生きる—海民モーケンの移動をめぐる動態」
INFORMATION
異文化コミュニケーション学部では、グローバル・スタディーズの専門領域の視点から異文化コミュニケーションの課題について理解を深めるために、2016年度に計4回にわたり連続講演会を開催する。“Displacement(強制的な移動/流動)”という統一テーマを掲げて、地球上の人々の課題や暮らしを描きだす。第3回目の講演会では、海民モーケンの近年の社会変容を取り上げて、彼らが定住するようになってなお、海との密接な暮らしを維持し、移動しつづける動態を紹介する。
東洋大学アジア文化研究所客員研究員
鈴木 佑記 氏
千葉県生まれ。博士(地域研究)。上智大学大学院博士後期課程修了後、日本学術振興会特別研究員(PD)や東洋大学社会学部助教などを経て現職。フィールドワーク期間を含めたタイにおける滞在歴は合計5年半になる。国境を越えて移動する人々の暮らしに興味があり、タイ—カンボジア国境、タイ—ミャンマー国境周辺で調査を継続中。
主な著書に『現代の〈漂海民〉—津波後を生きる海民モーケンの民族誌』(めこん、2016年、単著)、『小さな民のグローバル学—共生の思想と実践をもとめて』(上智大学出版、2016年、共著)、『タイを知るための72章【第2版】』(明石書店、2014年、共著)、『自然災害と復興支援』(明石書店、2010年、共著)がある。
詳細情報
名称
2016年度異文化コミュニケーション学部連続講演会
“Displacement(強制的な移動/流動)”
第3回講演会「海と陸のはざまで生きる—海民モーケンの移動をめぐる動態」
“Displacement(強制的な移動/流動)”
第3回講演会「海と陸のはざまで生きる—海民モーケンの移動をめぐる動態」
内容
かつて、東アジアと東南アジアの海域には、船を住まいとしながら漁を生業とする、移動性の高い人々が多く暮らしていた。そのような生活形態を持つ集団を表すのに、漂海民という呼称がしばしば用いられてきた。しかし現在、彼らのほぼ全てが船での移動生活をやめて、陸地に定住するようになっている。そこには、国家による海から陸への「強制的な移動」が行われた事実が関係している。それでもなお、海と密接な暮らしを維持しようとする人々を、ここでは海民と呼ぶことにしたい。
本講演では、タイとミャンマーの沿岸・島嶼に暮らす海民のモーケンを取り上げる。中でも、タイ領に浮かぶ小さな島で生活するモーケンに焦点を合わせて、彼らがどのように船から家屋へと生活の場を移行したのか、その背景を明らかにする。そのうえでモーケンが、「陸の論理」に取り込まれながらも、今なお自らの意志で移動を続け、海で生きようとする姿を紹介する。
本講演では、タイとミャンマーの沿岸・島嶼に暮らす海民のモーケンを取り上げる。中でも、タイ領に浮かぶ小さな島で生活するモーケンに焦点を合わせて、彼らがどのように船から家屋へと生活の場を移行したのか、その背景を明らかにする。そのうえでモーケンが、「陸の論理」に取り込まれながらも、今なお自らの意志で移動を続け、海で生きようとする姿を紹介する。
対象者
異文化コミュニケーション学部生、本学学生、教職員、校友、一般
申し込み
申込不要、入場無料
主催
異文化コミュニケーション学部
お問い合わせ
学部事務4課 異文化コミュニケーション学部担当
電話:03-3985-4824