公開シンポジウム「恩寵と他力——キリスト教と仏教の対話——」
INFORMATION
人間が宗教的救済に至る時、宗教者はそこに神仏の働きを観取し、その体験を様々な仕方で言語化してきた。それは主に、キリスト教においては恩寵論、そして仏教、ことに真宗においては回向論として展開されてきた。本シンポジウムでは、本テーマに関して深い知見を有する先生方をお招きし、東西の宗教者が救済における神仏と人間との関係をいかに捉えたのかという問題に関して、宗教間対話を交えながら理解を深めていきたい。
ドイツ国テュービンゲン大学教授
Johannes Brachtendorf 氏
1958年生まれ。ボッフム大学、ベルリン大学、レーゲンスブルク大学、ウィーン大学、テュービンゲン大学で哲学、カトリック神学、音楽学、美術史を専攻。1992年テュービンゲン大学カトリック神学部助手、1998年同大学私講師、2000年インスブルック大学客員教授、2004年テュービンゲン大学カトリック神学部教授(神学における哲学的根本問題の講座担当)に就任。形而上学、霊魂論、宗教哲学を専門分野としつつ、また哲学と物理学の対話を進めるなど、極めて幅広い研究活動を行っている。特にアウグスティヌス研究に関して世界的に有名であり、現在シェーニング出版社から刊行継続中のアウグスティヌス全集の編訳者でもある。主要業績:著書Fichtes Lehre vom Sein. Eine kritische Darstellung der Wissenschaftslehren von 1794, 1798/99 und 1812, (Schöningh); ders., Die Struktur des menschlichen Geistes nach Augustinus. Selbstreflexion und Erkenntnis Gottes in De Trinitate (Felix Meiner); ders., Augustins Confessiones (Wissenschaftliche Buchgesellschaft)、編著 Gott und Sein Bild – Augustins De Trinitate im Spiegel gegenwärtiger Forschung (Schöningh), Unendlichkeit – Philosophische, theologische und mathematisch-naturwissenschaftliche Perspektiven (Mohr Siebeck), Einheit und Vielheit als metaphysisches Problem (Mohr Siebeck)、編著・訳著・論文その他多数。
大谷大学学長・大谷大学文学部教授
木越 康 氏
1963年生まれ。1990年大谷大学大学院文学研究科真宗学専攻博士後期課程満期退学。1994年より大谷大学短期大学部または同大学文学部の非常勤講師、講師、准教授を歴任し、2013年同大学教授に就任。2016年大谷大学学長に就任。「親鸞思想と現代社会」の研究、特にキリスト教神学者との対話研究を通して、宗教が持つ現代的・社会的意味を検証し、現代において親鸞思想が持つ独自性と可能性を探る研究を重点的に行っている。主要業績:著書『「正像末和讃」を読む』(大阪教区)、『ボランティアは親鸞の教えに反するのか』(法蔵館)、共著『仏教とキリスト教の対話』I~III(法蔵館)、『キリシタンから見た真宗』(東本願寺)。論文「真宗教学の近代化と現在—浄土理解の変遷を通して—」、「「悪人正機」の人間教育」、「臨床仏教としての親鸞思想」など多数。
早稲田大学名誉教授
田島 照久 氏
1947年生まれ。早稲田大学第一文学部哲学科卒業。ドイツ・フライブルク大学でマギスター学位を取得後、早稲田大学で博士号を取得。1980年明星大学専任講師、1985年同助教授に就任。1986年より早稲田大学商学部専任講師、助教授、教授を歴任し、1997年より早稲田大学第一・第二文学部教授に就任。宗教哲学、宗教学、宗教民俗学を専門分野としつつ、キリスト教神秘思想と禅思想の比較研究も進めるなど、幅広い分野で精力的に研究を行っている。特に、キリスト教の伝統である神化思想との関連から中世ドイツ神秘思想を捉え直す研究を中心的に進めている。主要業績:著書『マイスター・エックハルト研究——思惟のトリアーデ構造esse・creatio・generatio論』(創文社)、『エックハルト説教集』(岩波文庫)、『タウラー説教集』(創文社)、編著『テオーシス——東方・西方教会における人間神化思想の伝統』(教友社)、論文「ドイツ神秘思想の依拠する神論の伝統」、「写し込まれた永遠:「魂の根底」と「始原」をめぐるエックハルトの場所論」、「キリスト教と仏教の「智恵」表出の論理構造:エックハルトの「私の花は実である」(シラ書)解釈を手がかりにして」、その他論文多数。
上智大学神学部専任講師 イエズス会士・カトリック司祭
角田 佑一 氏
1979年生まれ。2002年上智大学文学部哲学科卒業。神学博士(サンタクララ大学バークレーイエズス会神学大学院:2017年)。聖書学および教理史を専門とするほか、清沢満之を中心とする近代日本の宗教哲学の研究、また、仏教、キリスト教、諸宗教・諸教派の宗教間対話的・比較研究を精力的に行っている。論文「清澤満之における信念」で第18回暁烏敏賞第一部門奨励賞受賞。主要業績:Personal and Cosmic Dimensions of the Hypostatic Union in Jesus Christ: Dialogue Between Christology and Buddha Body Theory in Shin Buddhism(神学博士学位論文: Santa Clara University)。「カトリック教会から見た宗教改革の意義—イグナチオ・デ・ロヨラとマルティン・ルターの自由理解の比較」『宣教学ジャーナル』(12号40-59頁)。「清澤満之の宗教哲学における転化論」『宗教研究』(78巻1号23-44頁)。「カトリック教会とアッシリア東方教会の対話」『福音宣教』(72巻8号75-81頁)。「マタイ福音書における『毒麦の譬』の編集史的研究」『カトリック研究』(84号77-118頁)。そのほか。
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