公開講演会 「日独建築史における記憶文化(Cultural Memory and Architecture in Germany and Japan)」
INFORMATION
ヨーロッパと日本において、建築は集団的記憶の場として記憶文化の構築に大きな役割を果たしてきた。ヨーロッパでは、中世の教会建築様式の要素が近世初期に至るまで連綿と受容され、建築史的記憶文化の生成の枠組みとして機能してきたが、20世紀の歴史的事件を記念する建築においても、教会建築様式のこのような機能は失われていない。講演では、今回の来日で講師が日本各地において行ったフィールドワークにもとづき、現代日本の建築における記憶文化と宗教的要素の関係を、ヨーロッパ、特にドイツの例と比較対象しつつ考察する。
講師
ベルリン・フンボルト大学教授(美術史)
カイ・カッペル(Kai Kappel) 氏
1962年生まれ。1993年マインツ大学博士号取得。1993年から2005年マインツ大学助手。2006年マインツ大学にて教授資格取得。2006年から2011年までベルリン・フンボルト大学、ドレスデン大学、マインツ大学、ミュンヘン大学、レーゲンスブルク大学講師。2012年より現職。2018年よりフンボルト大学文化学・社会学・図像学部副学部長。ドイツ、イタリア、スペインの中世建築史および19・20世紀建築史を中心に、ヨーロッパの記憶文化における両大戦とナチスの犯罪の問題、現代建築における中世の受容、メディア史(写真)を主な専門領域とする。主要業績:『ダッハウ収容所記念施設の宗教的記憶の場』(Religiöse Erinnerungsorte in der KZ-Gedenkstätte Dachau / Dachau Concentration Camp Memorial Site. Religious Memorials)(2010、増補第2版2026)、『1945年を記憶せよ?西側占領地域および連邦共和国における戦争廃墟と瓦礫を用いた教会建築』(Memento 1945? Kirchenbau aus Kriegsruinen und Trümmersteinen in den Westzonen und in der Bundesrepublik Deutschland)(2008)、『バリの聖二コラ教会とその建築上の後継。11-17世紀南イタリアおよびダルマティアにおける建築の一タイプ』(S. Nicola in Bari und seine architektonische Nachfolge. Ein Bautypus des 11.-17. Jahrhunderts in Unteritalien und Dalmatien)(1996)など 論文・著書多数。
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対象者
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- 事前申し込み 不要
- 参加費 無料