第76回ジェンダーセッション「フィリピン南部における紛争と女性:「移行期正義と和解」の取り組みは過去にどう応えるのか」
INFORMATION
武力紛争を終結させる和平プロセスでは、被害者との和解を実現する平和構築の試みとして「移行期正義」が注目を集めている。フィリピン南部では、1970年ごろより武力紛争が展開されてきたが、その最大武装勢力であるMILF(Moro Islamic Liberation Front, モロイスラム解放戦線)とフィリピン政府は、2012年に、最終和平にむけたロードマップを記した枠組合意に署名した。枠組合意は「移行期正義」の重要性をうたっており、その実現のために「移行期正義と和解のための委員会」が設立された。本セミナーでは、フィリピン南部の武力紛争が一般市民、とくに女性にどのような暴力をふるったのかを理解する手助けとして、フィリピン人権委員会が作成した虐殺事件に関する動画を導入する。そのうえで、「移行期正義と和解のための委員会」の主任コーディネーターをつとめたルファ・ギアム教授に、フィリピンにおける「移行期正義」の取り組みが、その癒えない過去の傷にどのように応えようとしているのかについて、お話いただく。
講師
Alternate Forum for Research in Mindanao (AFRIM)理事、元ミンダナオ国立大学ジェネラルサントス校教授
ルファ・ギアム教授
Alternate Forum for Research in Mindanao(AFRIM)理事。元ミンダナオ国立大学ジェネラルサントス校教授。AFRIMは、国際支援の実践などを一般住民の視点から批判的に考察する調査機関である。国連機関、各国政府、国際 NGO などによるフィリピン南部の平和構築支援の評価に数多く携わる経験をもつ。主な著書に“A Deadly Cocktail? Illicit Drugs, Politics and Violent Conflict in Lanao del Sur and Maguindanao,” co-written with Steven Schoofs, in Out of the Shadows: Violent Conflict and the Real Economy in Mindanao (Quezon City: International Alert, 2013); Gender and Livelihoods for Internally Displaced Persons in Mindanao (Washington, DC: The Brookings Institution and the London School of Economics Internal Displacement Project, July 2013)などがある。
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- 参加費 無料