立教大学

近年、企業の社会的責任や、持続可能な社会への企業の具体的な貢献、環境・社会・ガバナンスに配慮した投資の重要性がひろくグローバルに認識されるようになってきた。日本においても、企業にとどまらず、政府や広く社会のなかで、SDGs経営やESG投資などの言葉が知られるようになってきた。しかし未だに、実際にSDGs経営やESG投資が何を意味するのか、具体的に企業はどのようなことをすべきか、それがこれまでの経営とどう違うのか、余計な手間と費用がかかるのか、どのような新たなノウハウが必要なのか、経営者にはどのようなリーダーシップが求められているのか、などについて、少なからぬ企業が十分な理解をもたず、暗中模索している。長年、一橋大学で渋沢スカラープログラムの責任者として、わが国の近代化に貢献した渋沢栄一の「仁義道徳と生産利殖は元来共に進むべきもの」という「道徳経済合一説」の精神を現代に伝える活動を行ってきたクリスティーナ・アメージャン氏がこの4月に本学経営学部に着任したことを機に、渋沢栄一の言葉と実践から導かれる今日の企業経営への示唆を導くとともに、参加者と意見交換を行うものである。