公開シンポジウム「『ひきこもり』の20年を振り返る——当事者・治療者・研究者の対話を通して」
INFORMATION
「ひきこもり」が社会問題化してから20年以上が経過した。当初は若年男性の問題として注目を集めたが、女性の「ひきこもり」や中高年の「ひきこもり」など裾野は広がっている。支援においては2000年代前半に居場所から就労へと力点が移り、働いて稼げるようになることこそが「ゴール」という枠組みは、今なお支配的である。しかし、2010年代に入ってからそうした従来の支援を批判・見直す機運が高まり、その中心にいたのは沈黙を強いられてきた当事者たちであった。
本シンポジウムでは当事者・治療者・研究者という三者三様の立場から、この20年間で変わったこと/変わらないことを見つめるとともに、各自の実践および依って立つ視点の変遷も振り返りながら、「ひきこもり」という問題といかに向き合っていけばよいのか、また「ひきこもり」が世の中に何を投げかけているのか語り合いたい。
精神科医・筑波大学
斎藤 環 氏
筑波大学医学研究科博士課程修了。爽風会佐々木病院等を経て、筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。専門は思春期・青年期の精神病理学、「ひきこもり」の治療・支援ならびに啓蒙活動。著書に『社会的ひきこもり』(PHP新書)、『中高年ひきこもり』(幻冬舎新書)、『オープンダイアローグとは何か』(日本評論社)、『コロナ・アンビヴァレンスの憂鬱』(晶文社)ほか多数。
一般社団法人ひきこもりUX会議代表理事
林 恭子 氏
高校2年生で不登校になり、以来30代まで断続的にひきこもって過ごす。2012年から当事者活動を開始。全国で「ひきこもり女子会」を主催する他、メディアや講演を通して、ひきこもりについて当事者の立場から伝えている。著書に『ひきこもりの真実』(ちくま新書)、編著に『いまこそ語ろう、それぞれのひきこもり』(日本評論社)、共著に『ひきこもり白書2021』(ひきこもりUX会議)などがある。
松山大学人文学部教授
石川 良子 氏
東京都立大学社会学研究科博士課程修了。松山大学人文学部教授。専攻は社会学・ライフストーリー研究。2000年から「ひきこもり」の調査研究を開始し、当事者へのインタビューをもとに「ひきこもり」とはどういう経験なのか明らかにすることを課題としてきた。著書に、『「ひきこもり」から考える』(ちくま新書)、『ひきこもりの〈ゴール〉』(青弓社)、共編著に『ライフストーリー研究に何ができるか』(新曜社)、『ひきこもりと家族の社会学』(世界思想社)などがある。
詳細情報
名称
対象者
申し込み
【定員】
250名
以下のwebサイトよりお申し込みください。
(当日申込可能)