公開研究会「人文研究センターAI 倫理共同研究プロジェクト」
INFORMATION
文学部を中心にAIに関して哲学・倫理学的に考察する共同研究プロジェクトが文学部人文研究センターの枠内でスタートした。AIと倫理に関しては、国内でもすでに多くの議論や研究がある。ただ、一方では「シンギュラリティ」やAIによる雇用の喪失などのネガティブな側面を煽るようなジャーナリスティックな理解と、他方では個別の分野における精緻な専門研究とのあいだで乖離が見られるように思われる。AIをはじめとする現代情報技術がさまざまな領域で実践的に活用され、データサイエンスに関する素養が人文学的な研究・教育においても求められる現在において、両者を架橋する具体的な研究の必要性はきわめて大きくなっていると考える。本共同研究プロジェクトでは、今年度に公開研究会を複数回予定しているが、その第一弾として、文学部特任准教授で政治社会学を専門とする堀内進之介、文学部および人工知能科学研究科に所属し人工知能の科学を専門とする村上祐子に、各々のこれまでの研究をもとに、それぞれのAIに関する哲学・倫理学的な考察のあり方を示していただく。
講師
本学文学部教育学科特任准教授
堀内 進之介
専門は政治社会学・応用倫理学。主な著作に、『データ管理は私たちを幸福にするか? 自己追跡の倫理学』(2022年)、『人工知能時代を〈善く生きる〉技術』(2018年)、『感情で釣られる人々 なぜ理性は負け続けるのか』(2016年)ほか。
本学人工知能科学研究科、文学部教育学科教授
村上 祐子
専門は人工知能の哲学・情報哲学・情報倫理。主な著作・論文に、「人工知能の倫理の現在:研究開発における技術哲学・倫理の意義」(2018年)、“Ethics of Information Education for Living with Robots”(2017)ほか。