公開研究会「人文研究センターAI倫理共同研究プロジェクト」
INFORMATION
文学部を中心にAIに関して哲学・倫理学的に考察する共同研究プロジェクトが文学部人文研究センターの枠内でスタートした。AIと倫理に関しては、国内でもすでに多くの議論や研究がある。ただ、一方では「シンギュラリティ」やAIによる雇用の喪失などのネガティブな側面を煽るようなジャーナリスティックな理解と、他方では個別の分野における精緻な専門研究とのあいだで乖離が見られるように思われる。AIをはじめとする現代情報技術がさまざまな領域で実践的に活用され、データサイエンスに関する素養が人文学的な研究・教育においても求められる現在において、両者を架橋する具体的な研究の必要性はきわめて大きくなっていると考える。本共同研究プロジェクトでは今年度に公開研究会を複数回予定しているが、その第一弾として、2023年9月に文学部特任准教授で政治社会学を専門とする堀内進之介、文学部および人工知能科学研究科に所属し人工知能の科学を専門とする村上祐子に登壇していただいた。今回はその第二弾として、人工知能科学研究科特任教授でゲームAI開発に携わりつつAIについての哲学的な考察で知られる三宅陽一郎に加え、文学部教授で哲学・倫理学を専攻する渡名喜庸哲の二人により、「AIの哲学」の可能性について議論する。
講師
本学人工知能科学研究科特任教授
三宅 陽一郎
専門はゲームAI開発・人工知能の哲学。主な著作に『戦略ゲームAI解体新書』(翔泳社)『人工知能のための哲学塾』『人工知能のための哲学塾東洋哲学篇』(ゲンロン人文的大賞2018受賞)(ビー・エヌ・エヌ新社)、『人工知能の作り方』『ゲームAI技術入門』(技術評論社)、『人工知能が「生命」になるとき』(PLANETS/第二次惑星開発委員会)、『なぜ人工知能は人と会話ができるのか』(マイナビ出版)、『<人工知能>と<人工知性>』(iCardbook)、『ボードゲームでわかる!コンピュータと人工知能のしくみ』(東京書籍)。ほか。
本学文学部文学科文芸・思想専修教授
渡名喜 庸哲
専門は哲学・社会思想史。主な著作に、『レヴィナスの企て『全体性と無限』と「人間」の多層性』(勁草書房)、『現代フランス哲学』(ちくま新書)、訳書に『ドローンの哲学』(明石書店)ほか。老人保健健康増進等事業「AIを活用したケアプラン作成支援に係るケアプランデータの利活用に関する調査研究」にも携わる。