公開講演会「立教大学キリスト教学会大会・総会」

INFORMATION

  • 2024年6月8日(土)13:30~16:30
  • ハイブリッド型開催(対面・オンライン)
    池袋キャンパス 太刀川記念館3階 カンファレンス・ルーム

講演「中世の顔を求めて——わすれられた霊性の地下流をたどる」(阿部善彦教授)
講演のほか、研究発表2件

大学制度の誕生と発展にともなう西欧中世の知的構造の変化のなかで、神学もまた神学部という大学の一学部における学問的営為と同一化し自己形成してゆく。そのなかで学知(scientia/episteme)としての神学の意義が盛んに思弁的に議論されるが、その一方で、教父以来の神学に本質的なものであった、神を際限なく渇望し全身全霊で愛し求める人間の、超自然本性的な一致・完成・救済の求道である人間神化(deificatio/theosis)の教えと修行は、13-14世紀において学問的営為としてのたんなる論証知にまで自らを切り下げた神学によって排除され、人間的分際を逸脱するものとしてついには断罪されるに至る。

本講演は、ここに、教父たちの生きた伝統を受け継いできた西欧キリスト教中世という時代の終焉を指摘する。他方で、まさに同時期に、西欧的学問が流入したビザンツ神学においては、激しい論争の末、教父以来の人間神化の教えと修行が正統として守りぬかれ、西欧的神学が断罪されたのであって、こうした西欧世界には見られなかった思想・霊性史上のできごとを受けとめながら、本講演では、教父的伝統を抹殺し、途絶させた近現代の西欧思想において失われたキリスト教霊性の意義を問い直す。

講師等

講演

本学文学部キリスト教学科教授
阿部 善彦

博士・哲学・上智大学。共編著『テオーシス:東方・西方教会における人間神化思想の伝統』(田島照久氏と共編著)教友社、2018年。共著『西方キリスト教の女性:その霊的伝承と雅歌の伝統』教友社、2023年。『キリスト教神学命題集:ユスティノスからJ.コーンまで』(土井健司ほか共編著)日本基督教団出版局、2022年。『ミシェル・アンリ読本』(川瀬雅也ほか編著)法政大学出版局、2022年。『古代キリスト教の女性:その霊的伝承と多様性』教友社2022年。ほか。

研究発表

東北学院大学宗教音楽研究所特任准教授
中川 郁太郎 氏

2023年度本学大学院キリスト教学研究科博士課程後期課程修了。現在、東北学院大学宗教音楽研究所特任准教授。東京藝術大学音楽学部および同大学院博士課程前期課程修了後、声楽家として演奏活動、聖歌隊・合唱指揮、研究活動をおこなう。

本学大学院キリスト教学研究科博士課程後期課程1年次
大家 俊子 さん

2023年度本学大学院キリスト教学研究科博士課程前期課程修了。現在、同博士課程後期課程在学。

詳細情報

名称

公開講演会「立教大学キリスト教学会大会・総会」

対象者

本学学生、教職員、校友、一般

申し込み

  • 参加費 無料

対面参加:事前申し込み 不要
オンライン参加:事前申し込み 必要

以下のメールアドレスから、お申し込みください。
E-mail:[email protected]

主催

文学部キリスト教学科、キリスト教学会

共催

キリスト教学研究科

お問い合わせ

学部事務1課 キリスト教学科担当

キリスト教学研究科教育研究コーディネーター

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