公開シンポジウム「20世紀フランス文学の検証—ミレイユ・カル=グリュベールの文学批評を中心にヌーヴォー・ロマンとその後の系譜を追う」
INFORMATION
20世紀フランス文学は、ダダイスムやシュルレアリム、実存主義などの様々な潮流を経て、ヌーヴォー・ロマンの作家により実験的な小説が数多く発表された。ドイツ占領下のパリにおいて、1941年に創設された地下出版社であるミニュイ社から、とりわけ戦後ジェローム・ランドンが編集長として発掘したアラン・ロブ=グリエ、サミュエル・ベケット、ナタリー・サロート、クロード・シモン、ミシェル・ビュトール、マルグリット・デュラスらの作品は、フランス国内外の文学作品に大きな影響を与えた。1970年代以降は、女性作家やフランス語で作品を発表する外国人作家の活躍も目覚ましく、フランス本国という枠を超えたフランス語圏文学として注目を浴びている。
パリ第3大学名誉教授であるミレイユ・カル=グリュベール氏は20世紀に活躍をした多くの作家と親交をもちながら、作品の批評を手掛けただけではなく、作家を招いた形でシンポジウムを開催したり、全集の編集を手掛けたり、未完の作品を編集して世に送り出すなど、20世紀フランス文学の研究と紹介に尽力してきた。作家としても活躍されているカル=グリュベール氏のこれまでの功績を振り返りながら、第一線で活躍する日本のフランス文学研究者とともに20世紀フランス文学の検証を行う。
登壇者
パリ第3ヌーヴェル・ソルボンヌ大学名誉教授、作家
ミレイユ・カル=グリュベール 氏
専門はフランス文学、美学。カナダ王立協会芸術文学アカデミーのメンバー。主な著書にClaude Simon, une vie à écrire (Seuil, 2011年)、Marguerite Duras, la noblesse de la banalité, (De l'incidence éditeur, 2023年)がある。
パリ第3ヌーヴェル・ソルボンヌ大学准研究員、哲学者
エブラール・グリュベール 氏
主な共著にUne trait d'union (ジャン=フランソワ・リオタールとの共著、Griffon d'argile、2018年)、Dictionnaire Universel des Créatrices (Éditions des femmes、2013年、哲学部門編集)、シモーヌ・ヴェイユ、ジャック・デリダ、ハイデガー、ガヤトリ・スピヴァクに関する共著への寄稿、共同編集が多数ある。
静岡文化芸術大学名誉教授
石川 清子 氏
専門はフランス文学、フランス語圏文学。主な著書に『マグレブ/フランス 周縁からの文学:植民地・女性・移民』(水声社、2023年)、主な訳書にレイラ・セバール著『ファティマ:辻公園のアルジェリア女たち』(水声社、2023年)がある。
東京大学教授
郷原 佳以 氏
専門はフランス文学。主な著書に『文学のミニマル・イメージ モーリス・ブランショ論』(左右社、2011年)、主な訳書にエレーヌ・シクスー/ジャック・デリダ著『ヴェール』(みすず書房、2014年)がある。
筑波大学准教授
小川 美登里 氏
専門はフランス文学、ジェンダー研究。主な著書にPascal Quignard, faire résonner le plus ancien (共著、Hermann Éditeurs、2024年)、主な訳書にパスカル・キニャール著『楽園のおもかげ—最後の王国〈4〉』(水声社、2022年)がある。
国際基督教大学准教授、国際基督教大学ジェンダー研究センター長
オリビエ・アムール=マヤール 氏
専門はフランス文学、フランス語圏内文学。主な著書にMarguerite Duras. Passages, croisements, rencontres (共編著者、Éditions Garnier、2019年)がある。
四天王寺大学非常勤講師
上田 章子 氏
四天王寺大学非常勤講師。専門はフランス文学、哲学。研究と並行して美術制作を続けている。な著書にRelectures du Ravissement de Lol V. Stein de Marguerite Duras (Éditions L’Harmattan、2014年)、『共に生きる倫理』(共著、萌書房、2019年)がある。
本学文学部文学科フランス文学専修教授
澤田 直
専門はフランス哲学、フランス文学。主な著書に『フェルナンド・ペソア伝 異名者たちの迷路』(集英社、2023年)、『サルトル読本』(法政大学出版局、2015年)、主な訳書にエドガール・モラン『百歳の哲学者が語る人生のこと』(河出書房新社、2022年)がある。
本学文学部文学科文芸・思想専修教授
福嶋 亮大
専門は中国文学、思想。主な著書に『復興文化論 日本的創造の系譜』(青土社、2013年)、『厄介な遺産—日本近代文学と演劇的想像力』(青土社、2016年)、『感染症としての文学と哲学』(光文社新書、2022年)がある。
本学観光学部交流文化学科准教授
石橋 正孝
専門はフランス文学。主な著書に『「驚異の旅」または出版をめぐる冒険—ジュール・ヴェルヌとピエール=ジュール・エッツェル』(左右社、2013年)、主な訳書に「レペルトワール(ミシェル・ビュトール評論集)」(全5巻中第3巻までを刊行、監訳、幻戯書房)がある。
本学外国語教育研究センター教授
関 未玲
専門はフランス文学、フランス語圏文学。主な著書に『マルグリット・デュラス〈声〉の幻前 小説・映画・戯曲』(共著、水声社、2020年)、主な訳書にミレイユ・カル=グリュベール著『クロード・シモン』(共訳、水声社、2023年)がある。
本学外国語教育研究センター准教授
河野 美奈子
専門はフランス文学、ケベック先住民文学。主な著書に『ケベックを知るための56章(第2版)』(日本ケベック学会編、共著、明石書店、2023年)、主な訳書にダニエル・シャルティエ著『北方の想像界とは何か? 倫理上の原則』(共訳、Imaginaire Nord、2019年)がある。
詳細情報
名称
内容
ヌーヴォー・ロマンの作家たち(マルグリット・デュラス/ミシェル・ビュトール/クロード・シモン)のセッション
午後の部
ミレイユ・カル=グリュベール氏の基調講演
基調講演を受けたセッション:ヌーヴォー・ロマン以降
基調講演を受けたセッション:ヌーヴォー・ロマンと日本における20 世紀フランス文学の受容と翻訳
対象者
申し込み
- 事前申し込み 不要
- 参加費 無料