経済学専攻経済学研究科/池袋キャンパス

OBJECTIVE.

複雑な現代の経済的諸問題を理論的・実証的に研究

経済学研究科経済学専攻では、複雑な現代の経済的諸問題を理論的・実証的に研究します。グローバル化が進行してきた経済システムの諸相を、理論・歴史・財政・金融・政策・会計の各分野からアプローチして分析します。充実した教授陣を擁し、大規模大学院とは一線を画した少人数教育に基づく懇切丁寧な研究指導が成果をあげています。また、学部と大学院前期課程を通じた5年一貫教育も充実しています。

専攻のポイント

  • 経済システムを各分野から分析

    経済システムの将来を切り拓く新たな経済理論の構築と政策分析、また精密な資料分析・文献研究に基づく歴史研究、国際動向をふまえた会計情報の分析など各分野から切り込みます。

  • 専門知識をもとに幅広い分野で活躍

    高度な専門性をもち、国際性に対応できる専門研究者、高度専門職業人、企業経営者のほか、行政機関などで活躍する専門家を育成します。税理士などの資格取得、博士号の取得や研究者としての就職などで、着実な成果をあげています。

  • 本専攻で身につける能力

    本研究科では、現代の経済社会・会計制度が直面する事象や問題について経済理論、経済史、経済政策論、会計理論、ファイナンス論あるいはこれらの周辺領域の知識を活用して研究を進めます。

    これにより、前期課程では、独自の研究テーマを設定して論理的に考察する、情報を収集する、そして専門分野を深く理解することにより、研究者を目指して後期課程に進学できる能力、行政機関・研究機関・企業・NGO・NPOなどで高度の専門知識を活用する職業能力、あるいは、資格取得につながる能力を身につけます。

    また、後期課程では、学術性の高い研究テーマを設定して理論的、歴史的、実証的に分析し、経済学・会計学の発展に寄与する独創的かつ先進的な研究を遂行することにより、研究者あるいは高度職業人として大学・研究教育機関で研究・調査・教育を行う能力を身につけます。

  • 社会人・シニア層の受け入れで多様化をはかる

    前期課程の「社会人コース」は、平日夜間・土曜開講科目のみの履修でも修了可能です。また、2021年度からは、前期課程に「セカンドステージ」入試区分を設け、経済学の分野で大学院進学を希望するシニア層の受入を開始しました。

    前期課程・後期課程を通じて、これから高度専門職や研究職をめざす学生に加えて、これまで積み重ねてきた経験をあらためて学術的にとらえなおす視点から研究に取り組もうとする社会人・シニア層も入学し、研究テーマの多様化も進んでいます。
    ※詳細は、ページ下部関連情報でご確認ください。

Pick
up

論文作成指導のロードマップ

4月の研究科ガイダンスに続き、キャレル付きの院生共同研究室で研究がスタートします。

前期課程では、「特論」と呼ばれる講義科目を履修するのと並行して、指導教員が担当する「演習特別指導」において修士論文作成指導が行われます。まず、問題意識に沿って研究課題を設定できるよう、論文作成のあらすじである「スケルトンシート」をつくります。研究テーマを設定し、年内に修士論文構想発表会で発表を行います。これは、論文指導の節目ごとに専修グループを単位として行われる各種発表会の一つです。教授陣および他の大学院学生を交えた質疑と討議が行われます。2年次には副指導教員もつき、春学期の中間発表会、秋学期の草稿発表会での報告をふまえて、年明けの修士論文提出をめざします。専修グループの教授陣による指導を受けながら、他の学生との切磋琢磨を通じて研究力を磨きます。

後期課程では、指導教員が担当する「研究指導」において、研究を適切に実行し、その成果を博士論文としてまとめるための指導を受けることにより、現代社会が抱える問題を分析し、解決に向けて論理的に考察する能力を高めます。また、各自の研究テーマを深めるために、経済理論・経済史・経済政策論・会計学に関して指導教員以外の教員が担当する「特殊講義」を中心とする選択科目を履修し、学術性の高い問題について学問的知識を活用する力をつけます。

多様なキャリア・パスを支える諸制度

各種奨学金制度、授業料減免制度に加えて、学部授業の運営補助という仕事を通じて学ぶ機会でもあるTA(Teaching Assistant)制度や、研究プロジェクトの補助を行うRA(Research Assistant)制度などがあります。

研究をレベルアップさせるために、リサーチ手法、英語プレゼンテーション、英語論文作成などのリサーチ・リテラシー科目が準備されています。学会報告や学会参加に対する各種の補助制度も充実しています。

他研究科の開講科目を履修できる制度や単位互換協定を締結している都内他大学8研究科との単位互換制度を活用すれば、より専門的な領域を深めた学びも可能です。多様なキャリア・パスを意識したコース設定により、高度専門職から研究職まで、多様なニーズに適応しています。課程博士の取得者も増えてきました。

経済学専攻専任教員/研究テーマ ( *印の教員は、博士課程後期課程の研究指導は担当しません。〇印の教員は、原則として社会人コースのみ研究指導を担当します。研究休暇及び長期海外研究取得者は、研究指導を担当しません)

  • 荒川 章義 教授

    主要研究テーマ:制度と進化の経済学、経済理論史

    教員紹介

    経済学の理論、具体的には新古典派経済学、制度の経済学、ケインズ経済学が、何を見て何を考察することが出来るのか、逆に言えば、何を見ることが出来ず何を考察することができないのかを、単にその理論的な構造においてのみならず、その歴史的な形成過程、特に認識論的な科学史の中において検討するということを行ってきている。それと同時に近年では法制度の違いが経済のあり方にどのように影響するのかに関しても関心をもち、研究を始めている。

  • 安藤 道人 教授

    主要研究テーマ:社会保障と地方財政の計量分析

    教員紹介

    ミクロ計量経済学、統計的因果推論および機械学習の分析手法を活用した社会保障政策や地方財政制度の実証的研究を行っている。とりわけ、自治体データや個票データ、そして国レベルのデータを用いて、社会保障政策の導入・改革や地方財政制度のあり方が行財政アウトカムや生活・健康・労働関連アウトカムにどのような影響を与えるのかの検証を行っている。さらに近年は、地方財政や精神医療統計の歴史統計のデータベース構築と分析や、個別自治体との共同研究なども行っている。

  • DE WIT, Andrew 教授

    主要研究テーマ:政治経済学

    教員紹介

    専門は地方財政論と比較公共政策論。研究テーマの背景は、世界各地で災害等に強い町づくり、重要インフラの強靭化・スマート化や低炭素エネルギー普及等の気候変動への緩和策・適応策のガバナンスと技術の連携が課題となっている。その中、比較的な観点から見た日本における緩和策及び適応策の実現とそれらのシナジーを分析する。

  • 藤原 新 教授(2024年度研究休暇)

    主要研究テーマ:ケインズ、マクロ経済学理論

    教員紹介

    J.M.ケインズを中心とするマクロ経済学理論を研究している。ケインズ経済学の形式的理解にとどまらず、彼の『蓋然性論』に見られる経済学方法論に立脚したケインズ経済学の再評価を行うことが現在の研究テーマである。非同質的であり、時間的に変化する有機的統一体としての経済を分析する、ケインズ独自の方法に基づいた経済理論の特徴を明らかにしたいと考えている。

  • 蓮見 雄 教授

    主要研究テーマ:世界経済と地域経済統合

    教員紹介

    市場と制度、経済とエネルギー・環境、国家と地域統合の相互作用という3つの視点から世界経済、特にヨーロッパ地域(ロシアを含む)経済の研究を進めている。近年、特に力を入れているのが、EUにおける地域政策とエネルギー政策である。この2つの政策は、国境を越えた分散ネットワーク型の制度及びインフラの構築という点で深く関連している。EUでは、市場統合による財・サービス・資本・人の自由移動の結果、各地方自治体は正負を問わず様々な新たな経済・社会問題に直面しているが、それは同時に国境を越える広域のヨーロッパ経済空間の再編問題でもある。したがって、問題の根本的な解決には、EU-国家-地方自治体の三者のガバナンスを補完性原則(subsidiarity)に基づいて再構築することが必要である。EUは、様々な問題に直面しているが、超国家レベルで市場を支える制度を構築する実験場であり、アジアにおける地域統合を考える上でも政策の「ツールボックス」となりうる重要な研究課題である。

  • 池田 毅 教授

    主要研究テーマ:経済成長、所得分配、ケインズ、カレツキ

    教員紹介

    これまで、M.カレツキやN.カルドアらをその学説史的源流とする、ポスト・ケインジアンの経済成長と所得分配の理論について研究してきた。特に90年代以降注目されてきたカレツキアンと呼ばれるモデルを中心に、従来のポスト・ケインジアンの成長と分配のマクロ経済学を体系的・理論的に把握することに努めている。また同時に、主流派の経済成長論やマクロ経済学を批判的に検討することを通じて、ポスト・ケインジアンの理論的可能性を追求している。特に、カレツキアンと同様、マクロ経済学における不完全競争の役割を強調するニュー・ケインジアンの議論に着目し、それらの理論的構造の異同について詳細な比較検討を行っている。

  • 池上 岳彦 教授

    主要研究テーマ:租税政策,地方分権型財政システム

    教員紹介

    現代日本の租税政策、保健福祉財政および財政制度の国際比較を研究テーマとする。具体的には、高齢化・少子化時代を迎えた日本の公共サービスを支える財源調達システムとしての税制、政府間財政関係などを研究している。また、国際比較の観点からは、州の権限が比較的強い連邦国家カナダの財政システムを中心に研究を進めている。

  • 柏木 理佳 特任教授 *

    主要研究テーマ:企業統治、人的資源

    教員紹介

    組織文化が強い日本企業において不祥事企業の抑制、リスク管理として社外取締役が注目されている中、独立性の高い社外取締役の監査・監督機能、効用について分析している。特に、欧米と比較した社外取締役制度や取締役や監査役のダイバーシティ人材の効用について研究している。同時に、日本は人口減少により、新卒からキャリア、管理職にいたるまで人材不足が解消していない。人的資源として大学生のキャリア形成、リーダーシップなども論文がある。

  • 菊池 航 教授

    主要研究テーマ:産業の競争力

    教員紹介

    日本自動車産業における自動車メーカーを中心とした企業間関係(自動車メーカー・委託生産企業,自動車メーカー・サプライヤー,自動車メーカー・ディーラー)について研究を進めている。高い国際競争力を有する日本自動車産業の取引慣行の現状を把握するとともに,その形成過程を明らかにすることを目標としている。今後は分析対象を他産業にも広げ,産業の競争力に関する研究を深めていきたいと考えている。

  • 菊池 雄太 教授

    主要研究テーマ:西洋経済史,資本主義的世界経済における近世・近代ドイツ

    教員紹介

    近世・近代のドイツ経済を,資本主義的世界経済の中に実証的に位置づけることを目的とする研究に取り組んでいる。より具体的には,「大西洋経済」という名で知られる広域経済圏にドイツ地域がどの程度,どのように組み込まれていたのかを,貿易,物流,市場,後背地における産業と経済成長,消費といった観点から総体的にとらえようとしている。

  • 林 采成 教授

    主要研究テーマ:日本経済史・アジア経済史

    教員紹介

    戦時経済から戦後再編、高度成長期を経て低成長の現在に至るまでの日本経済の史的展開を研究テーマとしている。分析の視点を日本だけに限定せず、むしろ朝鮮・韓国、台湾、中国大陸といった東アジアとの相互交流をも視野に入れて、鉄道、石炭、専売を中心とした産業の発展、インフラの形成、経営分析、経済政策の推進、労使関係の展開についての実証分析を行ってきた。近年は衛生、食料といった新しい課題に取り組むとともに、東アジアにおける高度成長を歴史的研究対象として捉え、日本、韓国、台湾、中国という4ヵ国間の比較史研究を進めている。

  • 湊 照宏 教授(2024年度研究休暇)

    主要研究テーマ:近代東アジアの経済史

    教員紹介

    台湾経済を分析対象としつつ、中国大陸・朝鮮半島・日本などの東アジア地域の近代経済史を研究テーマとする。主に戦前から戦後にかけての台湾電力業を分析し、戦前においては日本資本市場からの資金調達、戦後においては米国援助資金の利用などを検討することにより、戦前の帝国主義や戦後の冷戦体制が東アジア経済にもたらした影響について考察している。

  • 三谷 進 教授

    主要研究テーマ:金融市場と投資信託

    教員紹介

    金融市場と投資信託の分析を研究テーマとしている。特に、1920年代から現代に至るアメリカの金融市場の歴史的な発展過程において、金融資産が累積していくメカニズムを実証的に明らかにしながら、金融市場の拡大や金融危機の発生において、投資信託等の金融機関がどのような機能・役割を果たしてきたのかということについて分析を行っている。

  • 諸藤 裕美 教授

    主要研究テーマ:管理会計論

    教員紹介

    製品開発段階の利益管理活動である原価企画その他管理会計を研究テーマとしている。目標原価のタイトネスと組織成員のモチベーションとの関係、国内本社と海外拠点との組織成員の国民文化の違い、財務業績改善や環境負荷減少のための製造業のサービス化(サービタイゼーション)への対応を分析の視角として、理論的研究や事例研究を行っている。

  • 永田 寛幸 特任教授 * 〇

    主要研究テーマ:租税法、税務行政

    教員紹介

    租税法および国税に関する税務行政を研究テーマとする。具体的には、デジタル化の進展など社会経済の変化に対応した税制および税務行政の動向を主な研究テーマとしている。

  • 二宮 健史郎 教授(2025年度研究休暇)

    主要研究テーマ:金融の不安定性に関する理論的研究

    教員紹介

    サブプライム問題に端を発した世界的な金融危機により注目を浴びたミンスキーの金融不安定性仮説とそれを数理モデルに展開した諸研究を基に、非線形経済動学の手法を適用して金融の不安定性を理論的に研究しています。金融の不安定性を抑止する政策や制度的枠組み、カルドア・モデル、グッドウィン・モデル、カレツキアン・モデル等のポスト・ケインズ派マクロ動学モデルにも関心を持っています。我が国のバブル経済、アジアの通貨危機、欧州等の債務危機、サブプライム危機等の金融危機、金融恐慌を研究の対象としています。

  • 岡部 桂史 教授

    主要研究テーマ:日本経済史・経営史

    教員紹介

    日本経済史・経営史の研究領域で、近現代の機械工業、総合商社を研究テーマとする。後発国日本の経済発展を考える上で、機械工業の自立化(国産化)は極めて重要である。具体的には、東京・大阪などの都市型の機械工業に加えて、地方を視野に入れた中小零細な機械工業の展開過程を研究している。また、日本の経済・地理的条件からみて貿易の自立化も重要な課題であり、その担い手となった総合商社の成立・発展過程について研究を進めている。

  • 境 勉 特任教授 * 〇

    主要研究テーマ:地方分権時代における地方税財政等の動き

    教員紹介

    これまで地方分権は基礎自治体の強化や権限移譲、国税から地方税への税源移譲、地方独立税の強化など大きく前進してきた。しかし、近年、少子高齢化や自然災害・コロナ禍等の危機、あるいはデジタル化の進展に伴い、国・広域自治体・基礎自治体の役割の見直し、財政格差の拡大に伴う一般財源確保・財政調整重視の動きなど、様々な動揺も生じている。このような状況を踏まえつつ、地方税財政、地方行政、地方分権の一端に携わってきた経験と問題意識に基づき、地方分権時代における地方税財政と地方行政の動きを主たる研究テーマとしている。

  • 坂本 雅士 教授

    主要研究テーマ:租税法、税務会計論

    教員紹介

    租税法を研究対象とする。法人所得課税の根底には、企業会計に基づくという自然な前提があることに着目し、各国の法人所得課税と企業会計との関係について研究している。特に、わが国の確定決算主義、ドイツの基準性原則、アメリカのIRC第446条に関心がある。最近では、事業体課税、国際財務報告基準(IFRS)への税務上の対応について研究を進めている。

  • 櫻井 公人 特別専任教授

    主要研究テーマ:国際経済、世界経済、国際関係

    教員紹介

    国際経済学、国際関係論によって通商政策と国際経済政策を分析する。グローバル金融危機下における政策対応と、それが引き起こす世界システム変動に関心がある。IPE(国際政治経済学)やGPE(グローバル政治経済学)アプローチの深化・拡充、現代アメリカの経済政策と日米中トライアングル関係、地域経済統合、新興国の台頭とその経済政策、資源・エネルギー政策、国際労働移動・移民政策、国際金融とグローバル企業行動なども視野に入れている。

  • 佐藤 有史 特別専任教授

    主要研究テーマ:経済学史

    教員紹介

    研究テーマは、①A.スミス、D.リカードウ、T.R.マルサスを頂点とするイギリス古典派経済学の原典の厳密な読解、ならびに研究史を踏まえたうえで新たな知見を提示すること、②1700年代以降イギリスを中心として展開された金融思想(真正手形学説、貨幣数量説の枠組みを提示したJ.ロー、D.ヒューム、J.ステュアート)への対抗思想としてできた古典派貨幣理論—スミス、H.ソーントン、リカードウを頂点とする貨幣理論—と、それに対する応答・批判・継承関係を主軸に、19世紀の地金論争・通貨論争、複本位論争、フリーバンキング論争から、現代にまで至る金融思想史を解明すること、以上である。

  • 佐々木 隆治 教授

    主要研究テーマ:マルクス経済論

    教員紹介

    研究テーマはカール・マルクスの経済理論、社会思想であり、これまで唯物論や物象化などの基本概念を軸にして研究を進めてきた。現在はおもに、①『資本論』および関連草稿の研究(とりわけ第二部及び第三部関連草稿)、②MEGA(マルクスエンゲルス全集)第4部門第18巻及び第19巻の編集に取り組んでいる。

  • 關 智一 教授(2025年度研究休暇)

    主要研究テーマ:企業行動とイノベーション

    教員紹介

    企業イノベーションについて研究している。理論的には組織内部のスラックについてX-非効率性概念の視点から研究を行っている。実証的には企業イノベーションの計測についてTFP概念の視点から研究を行っている。

  • 関口 智 教授

    主要研究テーマ:財政学、租税、財政・租税政策の国際比較

    教員紹介

    財政・租税政策の国際比較分析、主に日本とアメリカの財政・租税構造に関する制度的・歴史的な実証分析を行っている。その手法は、財政・租税政策に関する理論的諸潮流、歴史的変遷、経済的・社会的・政治的背景等を踏まえ、公共政策の意図・決定過程・各経済主体への効果・影響等について、複眼的に考察するものである。近年は、これらの分析手法を基礎に、主として先進国の予算・決算制度、金融制度、政策評価等に関する国際比較分析も行っている。

  • 島西 智輝 教授

    主要研究テーマ:日本経営史・産業史

    教員紹介

    日本の石炭産業の歴史を研究している。ユネスコの世界文化遺産(「明治日本の産業革命遺産」)の主構成産業となっていることに象徴されるように、石炭産業は日本の歴史上重要な産業の一つである。とくに、石炭産業の歴史は、産業のライフサイクル、産業政策、労使関係など、日本の産業・企業の歴史を考える上で重要な論点を提供してくれる。また、オーラルヒストリーを用いた戦後日本労働史の共同研究にも取り組んでいる。

  • 下田 知行 特任教授 *

    主要研究テーマ:中央銀行デジタル通貨、サステナブルファイナンス、インパクト投資

    教員紹介

    日本銀行、IMF(国際通貨基金)、BIS(国際決済銀行)で金融政策、金融規制、国際金融、決済・FinTechの政策立案や国際交渉を行ってきた経験を踏まえ、経済や金融の将来像を描く研究を行っている。具体的には、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を含むデジタルアセットの制度やエコシステム設計、脱炭素トランジションファイナンス、カーボンプライシングの設計、ESG評価手法、DAO(分散型自律組織)のガバナンス、インパクト投資など。

  • 首藤 若菜 教授

    主要研究テーマ:労使関係、女性労働

    教員紹介

    労使関係、女性労働を研究テーマとする。労働者間における職種と職務そしてキャリアの相違は、賃金水準や雇用保障の差につながる。職種とキャリアの違いは職域分離と呼ばれる。性別と雇用形態の差異によってもたらされる職域分離に焦点をあて、こうした分離が形成される過程、そして分離していた職域が統合される過程を労使関係の視角から研究している。

  • 菅沼 隆 教授

    主要研究テーマ:福祉国家の持続可能性

    教員紹介

    福祉国家の持続可能性について研究している。福祉国家はグローバル化と人口高齢化の挑戦を受けている。だが、福祉国家の再構築を進めることで「効率的な高福祉国家」の実現の可能性も高まってきている。社会保障制度はどのように再構築されるべきか、高福祉国家を支える経済政策・財政はどうあるべきかを考察する。特に、新たな福祉国家モデルとして注目されつつあるデンマークを題材として研究している。

  • 田島 夏与 教授(2025年度研究休暇)

    主要研究テーマ:都市環境の実証分析

    教員紹介

    都市における環境と社会・経済及び政策の相互作用について、ミクロ計量経済学及び地理情報科学の手法を用いた実証研究を行っている。世界最大の都市集積である東京都市圏を主たる対象として、消費者が住居や食品の選択において公共財を含む環境便益や災害リスクをどのように認知し行動しているのかについて、データ分析に基づいたエビデンスを提示するよう努めている。また、企業や市民を含めた地域社会がよりよい環境を実現するための政策のあり方を実証分析を踏まえて考察している。

  • 遠山 恭司 教授

    主要研究テーマ:中小企業と地域経済

    教員紹介

    中小企業と地域経済を研究テーマとする。変化の激しいグローバル経済のもとで、中小企業の組織ルーティン進化や経路依存・経路創造、分業構造の再編、海外進出、サプライヤーシステムを実証的に研究している。また、日本の地場産業や産業集積について、地域経済の持続的発展と政策展開を視野に、イタリアの産業地域との比較考察にも取り組んでいる。

  • 内野 一樹 教授

    主要研究テーマ:原価計算論、生産性会計

    教員紹介

    管理会計論・原価計算論を研究テーマとする。これまで米国におけるセグメント(業務区分計算単位)思考に関する文献を渉猟し、その生成・発展を整理してきたが、引き続きことに近年の戦略的原価管理論の高揚に見るセグメント思考の展開を跡付け、その本質に迫りたい。

  • 上田 衛門 特任教授 * 〇

    主要研究テーマ:租税制度・国際租税制度

    教員紹介

    租税制度、なかんずく国際租税制度を研究テーマとする。近年、経済のグローバル化およびデジタル化の一層の進展により、国際税制の大きな変容が迫られている。2022年の「二つの柱」に関する国際的な合意は画期的なものであったが、その合意内容をすべて実施に移すことができるかは未だ予断を許さない状況にある。このような国際税制の最近の動向を中心に、自身の実務経験にも照らしながら、租税制度の研究を進めている。

  • WONG, Leon 特任教授 *

    主要研究テーマ:Auditing, Capital Markets

    教員紹介

    Leon's research interests and areas of expertise are in auditing and financial accounting, especially in the intersection of accounting and capital markets, where his prior work experience in the Singapore stock market is especially relevant.

  • 山田 康裕 教授

    主要研究テーマ:利益概念や収益認識

    教員紹介

    会計的認識の拡張によって、計算構造にいかなる影響が生じるのかを検討している。具体的には、利益概念や収益認識の問題を主たるテーマとしており、国際会計基準審議会などで検討されている財務諸表の表示問題や収益認識基準の改善問題を考察している。さらには、近年、計算構造の解明にとどまらず、グローバル・ガバナンスの観点から基準設定機関の正統性などにも考察の対象を広げている。

  • 山縣 宏之 教授

    主要研究テーマ:現代アメリカにおける産業構造転換プロセス

    教員紹介

    研究テーマは、現代アメリカにおける産業構造転換プロセスの内実と社会経済的意義の一端を、特定都市・地域の事例研究、米国産業構造全体の研究を通じて明らかにすることである。産業構造転換は一国レベルで抽象的に起きるのではない。都市や地域という具体的な場で、企業・政府・その他組織、人的資本間の複雑な相互作用の結果起きるプロセスである。分析水準を企業・組織・人的資本・自治体レベルに深め、米国産業構造と経済政策全般に対象を広げつつ、政治経済学的なアメリカ研究に取り組んでいる。

  • 厳 成男 教授(2024年度研究休暇)

    主要研究テーマ:中国および東アジアの経済発展と制度変化

    教員紹介

    研究テーマは、中国および東アジアの経済発展と制度変化である。輸出主導型成長に基づく「世界の工場」から内需主導型成長に基づく「世界の市場」に転換しつつある東アジア諸経済の持続可能な発展に資する制度と政策のあり方について、ポリティカル・エコノミーの視角からアプローチしている。直近では、東アジアの労働市場の構造変化と制度改革が、各国における労働生産性上昇と需要成長との間の累積的因果連関構造に及ぼす影響を分析している。

  • 一ノ瀬 大輔 准教授 *

    主要研究テーマ:環境経済学

    教員紹介

    企業や消費者などの経済主体が環境問題につながるような行動をとるメカニズムを、経済理論と統計学の実証的な手法の双方を用いて解明することを研究のテーマとしている。そのなかでも特に、各種リサイクル法や汚染に対する責任制度といった法制度の導入が経済主体の行動にどのような影響を与えるのかを分析することが主な研究課題である。

  • 飯島 寛之 准教授 *

    主要研究テーマ:国際通貨

    教員紹介

    戦後アメリカは国際収支赤字の内容を悪化させながら赤字拡大を続ける一方、世界経済はこのアメリカの赤字拡大に依存しながら拡大を続けてきた。こうしたことを可能とする戦後の国際金融・通貨関係の分析を軸に、世界最大の債務国でありながら国際通貨国であり続けるアメリカの特殊性を明らかにすると同時に、アメリカの対外赤字が世界経済に与える影響を多面的に分析することをテーマとしている。

  • 米谷 健司 准教授 *

    主要研究テーマ:財務会計論

    教員紹介

    資本市場における会計情報の役割や会計情報が企業行動に与える影響などに関心を持っている。会計を取り巻く環境は常に変化しており、それに合わせて会計実務も日々進化している。貸借対照表や損益計算書といった基本的な財務諸表の枠組みは従来と同じであるが、その内容や位置づけは時代とともに変化している。株主、債権者、経営者、監査人、政府など、さまざまな利害関係者の視点から会計情報の役割を分析したいと考えている。

  • 森本 壮亮 准教授 *(2025年度長期海外研究)

    主要研究テーマ:マルクス経済学

    教員紹介

    マルクスを中心として、価値論(労働価値説)や利潤率低下論を研究している。前者の価値論については、価値と価格との乖離についての転化論・生産価格論と呼ばれる分野を中心に、古典派経済学やスラッファ経済学とマルクスとの比較や、1980年代以降の転形問題論争の新展開などについて研究している。後者の利潤率低下論については、「置塩定理」と呼ばれている論を中心として、理論面および実証面(戦後の日本経済を対象として)を研究している。

  • 西﨑 純代 准教授 *

    主要研究テーマ:第二次世界大戦後における日本経済の復興過程

    教員紹介

    1945年以後、日本が総力戦型の経済から戦後経済へ、どのように移行したかを研究している。具体的な事例研究として「第二次世界大戦後における日本人引揚者の職業体験」、「南満洲鉄道の社内教育と満鉄引揚者の戦後の職業活動」、「広島市の経済復興過程の分析」に取り組んでいる。

  • 小澤 康裕 准教授 *

    主要研究テーマ:会計監査論

    教員紹介

    研究テーマは、監査人の判断および意思決定である。財務諸表監査において監査人が行うさまざまな判断および意思決定を解明し、改善策を提示することを目的としている。そのためには、まず、質問票調査などによって、実際に監査・保証業務を行っている監査人の判断および意思決定の過程や特徴などを検証する必要がある。CSR報告書の保証についても研究している。

  • 櫻本 健 准教授

    主要研究テーマ:経済統計に基づく実証研究、国民経済計算、供給使用産業連関表

    教員紹介

    日本経済の将来にとって重要な課題についての実証分析や、実証上重要な経済統計の整備・構築について関心を持っている。主には、① 1990年代以降の家計貯蓄率の低下原因を包括的に分析してきた他、②国民経済計算のフレームを活用して、供給使用表や2008SNA、シェアリングエコノミーの課題を分析してきた。現実の経済現象では必ず時代毎に原因や仕組みが異なる現象が表出するため、問題の性質に合わせてデータの取り方や手法を工夫することで複雑に絡んだ現象を分かりやすく解いた分析を進めている。

  • 山本 周吾 准教授 *

    主要研究テーマ:国際金融論、国際マクロ経済学

    教員紹介

    国際資本移動、外国為替相場、マクロ変数の相互の関係について実証分析を基に研究している。特に、アジア通貨危機、世界金融危機、欧州金融財政危機などのように、国際金融市場では多くの危機が頻発しているが、頑健な国際金融システムの構築に貢献できるような研究成果を目指している。

関連情報

◆社会人コース:修士論文作成指導教員
原則として、以下の教員が修士論文作成指導教員となります。
岡部 桂史 教授 坂本 雅士 教授
菊池 航 教授 二宮 健史郎 教授
山縣 宏之 教授 境 勉 特任教授
上田 衛門 特任教授 永田 寛幸 特任教授
・2009年度から「国際企業環境コース」より名称変更
・平日夜間・土曜のみの履修で修了可能
・税理士試験科目(税法に属する科目等)一部免除にも対応した社会人コース指導担当者:
境 勉 特任教授
上田 衛門 特任教授 永田 寛幸 特任教授

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