生命理学専攻理学研究科/池袋キャンパス

OBJECTIVE.

基礎を大切にしたアプローチにより生命の謎を解き明かす

さまざまな生物のゲノム情報が解読された現在、基礎をより大切にした生命へのアプローチをめざしています。大学院での研究では、未知の課題に取り組み、誰も答えを知らない生命の謎を解き明かしていきます。

専攻のポイント

  • 生命現象を分子レベルの実証を基盤に解明

    生物の示す諸現象は、無生物の現象と何が共通で、何が違っているのか、生きているとはどういうことなのかを、分子レベルの実証を基盤として解明します。

  • 3領域を軸に最先端の研究に従事

    3領域(分子生物学、生物化学、分子細胞生物学)で構成し、学外専門家との交流も密に、最先端の研究に従事しつつ、現状を広く学習します。

  • 充実した少人数制教育

    各教員の研究室に所属し、教員1名あたり学生数名程度という非常に充実した環境で最先端の研究に没頭することができます。

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充実した研究環境

学科内の様々な研究室がそれぞれの個性を生かしつつ1つの大きな研究目標を達成するため、プロジェクト研究を推進しています。「オルガネラが駆動する真核細胞システムの高度化」では、真核生物のオルガネラがどのように誕生し、ユニークな機能を発展させてきたかを明らかにしました。また、「インクルーシブ・アカデミクス−生き物とこころの『健やかさと多様性』に関する包摂的研究」では、ストレスがホルモンの分泌や免疫の働きにどのように影響し、行動を変化させるのかを明らかにしました。このようなプロジェクト研究は各研究室で引き継がれ、さらに研究を深化させています。
また、学外の研究者との共同研究を進めるとともに、他大学や研究機関の研究者によるセミナーを開催しており、それらを通してさまざまな分野の最新の知見に触れることができます。研究施設・設備面では、共焦点レーザー顕微鏡、DNAシークエンサーなどの共通機器および各種の動物・植物の育成設備が充実しており、これらを活用して、思う存分に研究を行うことができます。大学院生の多くが学会発表奨励金制度を利用して、研究成果を積極的に学会発表しており、学外研究者との情報交換・交流、プレゼンテーション技術の習得などのよい機会になっています。

生命理学専攻専任教員/研究テーマ[分子生物学]

  • 関根 靖彦 教授

    主要研究テーマ:分子生物学

    教員紹介

    バクテリア(大腸菌)および植物(ヒメツリガネゴケ、クラミドモナス)を材料にして、主に分子生物学的手法を用いて以下の研究を行っている。1染色体、オルガネラDNAの組換え・修復・維持の機構、動く遺伝子(トランスポゾン)の転移調節機構。2非翻訳型RNA(noncoding RNA)の機能。3バクテリアの細胞内共生によるオルガネラ誕生のプロセスを支えた諸機構の解明。

  • 後藤 聡 教授

    主要研究テーマ:細胞生物学、分子生物学、糖鎖生物学

    教員紹介

    私達のような多細胞生物は、多種多様な細胞が協調しあうことによって生存・活動することができる。このように重要な細胞間のやりとりは、細胞表面に提示または細胞外に分泌される蛋白質などを介して行われている。したがって、それらの蛋白質の機能やその制御を研究することは、多細胞生物を理解するうえで非常に重要である。私達は、そのような蛋白質がどのように調節されているかについて、特に翻訳後修飾という観点から研究を行っている。

  • 塩見 大輔 教授

    主要研究テーマ:分子生物学、遺伝学、生化学、細胞生物学

    教員紹介

    バクテリアは抗生物質をはじめ、常に様々な細胞外ストレスに曝されている。そして、バクテリアは様々なストレスに対する応答機構を備えている。私たちは、様々な手法を用いて、とくに、抗生物質存在下におけるバクテリアの生存戦略を明らかにする。

  • 榊原 恵子 教授

    主要研究テーマ:発生生物学・進化学

    教員紹介

    陸上植物は約4億7千万年以上前にシャジクモ藻類のような祖先から分かれて進化してきたと考えられている。その過程で、新しい遺伝子の獲得や、もともと持っていた遺伝子が新しい機能を獲得したことが重要な役割を果たした。陸上植物やその近縁種の持っている遺伝子の配列やその遺伝子の機能を調べて比較することで、陸上植物の成立に関わった遺伝子進化の解明をめざす。

生命理学専攻専任教員/研究テーマ[生物化学]

  • 岩川 弘宙 准教授

    主要研究テーマ:分子生物学・生化学

    教員紹介

    20–30塩基長の小分子RNAを介したRNAサイレンシングは、配列特異的な遺伝子発現抑制機構であり、分化、発生、ストレス応答などを制御するだけでなく、ウイルスやトランスポゾンなどの非自己核酸の抑制においても中心的な役割を果たす。私達は、生化学、分子生物学、生命情報科学を組み合わせたアプローチで「小分子RNAが働くしくみ」を研究している。

  • 花井 亮 教授

    主要研究テーマ:分子構造生物物理学

    教員紹介

    分子構造生物物理学。タンパク質・核酸の分子構造と機能の相関およびその細胞中における役割の解明を目標とする。特に、DNAタンパク質複合体を対象とし、生物物理学・分子生物学・生化学の諸手法を組み合わせて研究している。

  • 山田 康之 教授

    主要研究テーマ:機能生物化学

    教員紹介

    タンパク質の構造変化がどのように機能に影響するかを明らかにする。主にFoF1-ATP合成酵素を材料として、その活性調節の分子機構を生物物理学的手法、生化学的手法により研究している。ATP合成酵素の調節サブユニットがどのような変化をすることで、ATP合成酵素複合体の活性をどのように制御しているかを、分子レベルで理解することをめざしている。

  • 末次 正幸 教授

    主要研究テーマ:分子生物学、合成生物学

    教員紹介

    「生命とは何か?」というテーマに対し、バクテリアをはじめとした生きている細胞が自己複製する能力に着目し研究を行っている。「蛍光顕微鏡を用いて、生きている細胞内の分子のふるまいを観測する技術」、「精製蛋白質によりゲノムDNAの複製・組換え・修復・転写翻訳などのシステムを再構成する技術」により、生命が「ふえる」さらには「進化する」仕組みを人工的に再現することを目指している。また、そのアプローチの中で得られた様々な生化学的システムを人工細胞をはじめとする次世代のバイオテクノロジーに実装するための研究も進めている。

生命理学専攻専任教員/研究テーマ[分子細胞生物学] (*印の退職予定教員は特別専任教授として引き続き指導に当たる場合があります。)

  • 眞島 恵介 特別専任教授

    主要研究テーマ:免疫学、細胞生物学

    教員紹介

    細胞内情報伝達機構の分子的側面の解析を研究テーマとする。免疫細胞を中心に細胞の分化・活性化などを誘導するリン酸化チロシンを介した情報の伝達機構を明らかにするため、チロシン残基のリン酸化に関与するタンパク質チロシンリン酸化酵素(PTK)とタンパク質チロシン脱リン酸化酵素(PTP)について研究している。

  • 岡 敏彦 教授

    主要研究テーマ:分子細胞生物学

    教員紹介

    細胞小器官(オルガネラ)はそれぞれ固有の機能と形態をもっている。オルガネラの機能は細胞の生存にとって必須だが、オルガネラの形態は細胞やオルガネラの機能にとってどのような役割があるのか?この命題を、細胞内のエネルギー産生の場であるミトコンドリアに着目し、分子生物学や生化学的手法を用いて、その膜形態の形成と制御機構を理解することで、オルガネラ形態の生理的意義の解明をめざしている。

  • 堀口 吾朗 教授

    主要研究テーマ:発生生物学、植物分子・生理科学

    教員紹介

    シロイヌナズナを用いて、器官形態形成とストレス応答に関する研究を行っている。具体的には、①細胞増殖と細胞伸長を統御し、葉のサイズを決定する機構、②葉の表と裏の領域を決定し、扁平な葉の構造を作り出す機構、③根の枝分かれを生み出す機構、④これらのプロセスがリボソームの生合成異常に由来するストレスに応答する仕組みを、遺伝学的、発生学的、分子生物学的手法を用いて解析を進めている。

  • 樋口 麻衣子 准教授

    主要研究テーマ:細胞生物学、分子生物学、発生生物学

    教員紹介

    細胞増殖・細胞運動は様々な生命現象において重要な役割を果たしている。私達は、動物培養細胞とゼブラフィッシュをモデル系として細胞増殖・細胞運動の制御メカニズムを明らかにすることにより、「1つの受精卵から複雑な生命体が形成される仕組み」「ヒトが様々な病気に罹患する仕組み」を解き明かすことを目指している。

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