役に立つから学ぶのではない、人生を豊かにする学びがここにありました

俳人 大高 翔さん

2014/01/01

立教卒業生のWork & Life

OVERVIEW

大学在学中から俳人として多方面で活躍している、大高翔さんにお話を伺いました。

以前から日本文学に興味があったのですが、職業に直結させることが難しい分野に大学の4年間を費やしていいものか、迷いがありました。それでもやはり学びたいと決意したのは高校3年生のときです。入学時から専攻が分かれている大学を探し、学びたいことを学べるかどうかを吟味して、最終的に立教を選びました。

入学当初、高校の授業とは大きく異なる大学の授業に、深い感銘を受けました。特に印象深いのは、日本文学の最初の授業で、教授が「さまざまのこと思ひ出す桜かな」という芭蕉の句を書いて、「日本文学科にせっかく入ったのだから、春になったらこういう句が口から出るようになりなさい」とおっしゃったことです。それまでは「役に立つから」という理由で教わることが勉強でしたが、「知ると人生が豊かになる」という学びが立教大学にはありました。一般教養(全学共通カリキュラム)では、文学以外の勉強もしました。生物の授業では、教授の専門が「ウニの進化」ということに驚き、学問の世界の奥深さを知りました。立教大学が掲げている「リベラルアーツ」という言葉どおり、いわゆる教養の部分こそが、私の学びたかったものでした。俳句は、十七音という世界最短の形式です。短さゆえ、何が大切か、本質をつかむことが求められる表現だと思っています。伝統を守り、革新を続ける——立教に流れる精神とも通じるものを感じています。

現在は、俳句を詠むことと、その魅力を伝えることを両輪として活動しています。子どもや初心者の方を対象にした俳句ワークショップをライフワークとしており、2010年にはニューヨークでも開催しました。2011年はヨーロッパで行います。自分自身の表現を磨くとともに、この活動にも力を注ぎたいと思います。年齢や国籍は違っても、自分の一句を手にしたとき、誰もが表情を輝かせます。一句の生まれる瞬間に立ち会えるのが、やりがいです。小さな言葉が持つ大きな力を、より多くの人に知ってもらうために、今の私に貢献できることを探していきたいです。

※卒業学科名は入学年度によって異なる場合があります。

プロフィール

PROFILE

大高 翔 さん

俳人

2002年 文学部 日本文学科卒業
徳島県 城東高等学校出身
高校卒業時に出版した句集が話題となり、大学在学中から俳人として多方面で活躍。
俳句の魅力を伝える活動にも尽力。

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