努力の果てにつかみとった日本チャンピオンのベルト。
世界を見据えて次なるリングへ
プロボクシング日本女子 ミニマム級王者 鈴木 なな子さん
2022/07/22
アスリート&スポーツ
OVERVIEW
「在学中にタイトルを獲得する」。その目標を胸に立教大学の門をくぐった鈴木なな子さん。2021年12月、4年次で念願を見事果たし、プロボクシング日本女子ミニマム級王者に輝いた。
在学中に王者に輝いたプロボクサーの軌跡とこれから
生理学から栄養学まで競技に生かされる大学での学び
後楽園ホールで行われたプロボクシング日本女子ミニマム級王座決定戦に勝利し、チャンピオンベルトを肩に掛ける
「選手が積み重ねてきた努力の集大成がリング上で表現され、それぞれで異なる戦い方やその人の本質が見えることがボクシングの魅力です。長いラウンドの中で数多くのドラマが生まれる素敵なスポーツだと心から思います」
幼い頃はブルース・リーに憧れ、空手道場に通っていたという鈴木さん。「空手のパンチを上達させるためにボクシングジムに入会したのですが、やればやるほど魅了されていきました」と競技転向のきっかけを語る。高校3年生でプロデビューを果たす一方で、「ボクシングに生かせることを学びたい」と立教大学コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科に進学する。
「生理学や栄養学の専門的な知識が、トレーニングや減量に役立ち、パフォーマンス向上につながると考えました。さらに、引退後を見据えて、スポーツマネジメントやマーケティングなど、ビジネス関連の分野を幅広く学べる点も魅力的でしたね」
希望に満ちて始まった大学生活だが、プロボクシング活動と両立させることは容易ではなかった。
幼い頃はブルース・リーに憧れ、空手道場に通っていたという鈴木さん。「空手のパンチを上達させるためにボクシングジムに入会したのですが、やればやるほど魅了されていきました」と競技転向のきっかけを語る。高校3年生でプロデビューを果たす一方で、「ボクシングに生かせることを学びたい」と立教大学コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科に進学する。
「生理学や栄養学の専門的な知識が、トレーニングや減量に役立ち、パフォーマンス向上につながると考えました。さらに、引退後を見据えて、スポーツマネジメントやマーケティングなど、ビジネス関連の分野を幅広く学べる点も魅力的でしたね」
希望に満ちて始まった大学生活だが、プロボクシング活動と両立させることは容易ではなかった。
事前に対戦相手の映像分析を行い、綿密に対策を立てた上で臨んだ(©ヒノモトハジメ/Bushido Boxing)
「朝、ランニングをしてから登校、授業が終わるとジムに直行して練習に励むという生活を送っていました。1・2年次は必修科目の授業が多くて忙しく、特に試合前の減量期は大変です。栄養面に注意しながらお弁当を工夫し、乗り切りました」
そんなストイックなキャンパスライフの中で、特に印象的だった科目があるという。
「『トレーナー演習』は、けがへの対処法やトレーニング方法を実践的に学べます。実技試験には、足首を捻挫したときのテーピング法が出題されました。やり方を一から覚え、実際にきれいに巻くことは非常に難しかったのですが、貴重な経験になりました。また、自分の食事記録を提出する課題があった科目『運動・スポーツ栄養学』も忘れられません。食生活と向き合う中で改善点が見つかり、減量にも役立ちました」
そんなストイックなキャンパスライフの中で、特に印象的だった科目があるという。
「『トレーナー演習』は、けがへの対処法やトレーニング方法を実践的に学べます。実技試験には、足首を捻挫したときのテーピング法が出題されました。やり方を一から覚え、実際にきれいに巻くことは非常に難しかったのですが、貴重な経験になりました。また、自分の食事記録を提出する課題があった科目『運動・スポーツ栄養学』も忘れられません。食生活と向き合う中で改善点が見つかり、減量にも役立ちました」
ファンの声援を原動力にして世界の頂点を目指す
所属する三迫ボクシングジムで練習に励む。女子日本王座獲得はジム初の快挙だった
スポーツウエルネス学科の濃密な学びを通して、新鮮な発見があったという鈴木さん。「スポーツには競技としての面白さだけではなく、人々の心身を健康にし、暮らしをより豊かにする力があると知りました」と話す。卒業研究では、自身の実体験を生かしてレポートを書き上げた。
「『減量による健康被害』と『減量がパフォーマンスに与えるプラスの影響』という2つのテーマを扱いました。この研究成果は、競技生活に生かせると思っています」
卒業後はプロボクシング活動に専念する。「競技に割ける時間が増えるので、フィジカルトレーニングの量を増やし、基礎をしっかり固めていきたいです」と意気込む。目指す先には何が見えているのだろうか。
「最終的なゴールはもちろん、世界王者です。しかし、着実にステップを踏む必要があるため、当面は東洋太平洋チャンピオンになることを目標にしています」
ただひたすらにボクシングの道を突き進む鈴木さん。その原動力の一つがファンの声援だという。
「皆さんから『感動した!』『自分もやる気が出た!』などの言葉を掛けてもらったとき、プロボクサーになって本当に良かったと思いますね。そんな大好きなボクシングを長く続けていく上で、立教大学で得た学びや経験が今後も大きな支えになると確信しています」
「『減量による健康被害』と『減量がパフォーマンスに与えるプラスの影響』という2つのテーマを扱いました。この研究成果は、競技生活に生かせると思っています」
卒業後はプロボクシング活動に専念する。「競技に割ける時間が増えるので、フィジカルトレーニングの量を増やし、基礎をしっかり固めていきたいです」と意気込む。目指す先には何が見えているのだろうか。
「最終的なゴールはもちろん、世界王者です。しかし、着実にステップを踏む必要があるため、当面は東洋太平洋チャンピオンになることを目標にしています」
ただひたすらにボクシングの道を突き進む鈴木さん。その原動力の一つがファンの声援だという。
「皆さんから『感動した!』『自分もやる気が出た!』などの言葉を掛けてもらったとき、プロボクサーになって本当に良かったと思いますね。そんな大好きなボクシングを長く続けていく上で、立教大学で得た学びや経験が今後も大きな支えになると確信しています」
日本チャンピオンになったことを沼澤秀雄学部長(当時・左)と共に、西原廉太総長に報告
※本記事は季刊「立教」260号(2022年4月発行)をもとに再構成したものです。バックナンバーの購入や定期購読のお申し込みはこちら
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
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プロフィール
PROFILE
鈴木 なな子さん
2022年3月コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科卒業