東京という地の利を活かし、やりたいことは何でも挑戦
社会学部現代文化学科4年次 工藤 亜実さん
2024/06/27
立教を選ぶ理由
OVERVIEW
中学生のころから立教大学に憧れていた工藤亜実さん(社会学部現代文化学科4年次)にお話を伺いました。
幼少期に知った社会の格差を追究するために選んだ進路
立教大学は中学の頃から憧れていて、高校に入る頃には「上京して立教大学に行きたい」と親に相談し、早くから情報収集していました。特に大学選びの決め手となったのが、パンフレットにあった「自由であれ」という言葉とともに、リベラルアーツ教育によって幅広い教養を学べることでした。また、オープンキャンパスでの出会いも後押ししてくれました。社会学部の学生が「街づくり政策」に関する授業の話をしてくれ、自分の問題意識にあった地域・教育の格差について、都市社会学からアプローチできると思い、社会学部を目指すようになりました。現代文化学科を選んだのは、取り上げる社会問題が幅広かったからです。
格差問題について考えるようになったのは、転勤族の家庭で育ったことがきっかけです。小学生の頃は、多様な家庭環境がある地域に住んでいました。大学生になって、そこが統計的にも貧困率の高い地域だったと知りましたが、労働者層の外国人が多く、シングルマザーの母親が夜に不在で兄弟の世話をする友達がいたり、駅前の街並みもシャッター街だったり。一転して、中学・高校時代に住んでいた地域はとても栄えていました。地域・教育の格差に関心をもったのはこの頃です。
都市社会学を学んで街づくり政策から格差の問題を追究するつもりで入学し、2年次のプレゼミでは商店街でインタビューなど調査活動を行い、レポートを書きました。また、全学共通科目の「立教サービスラーニング(RSL)」で、貧困家庭の子どもに教える無料塾のボランティアも経験しました。子どもの抱える苦しみなど格差の実態を知りたかったからですが、格差が子どもの学習進度に影響することもわかりました。授業を飛び出して現場で学ぶ大切さを知った体験です。
格差問題について考えるようになったのは、転勤族の家庭で育ったことがきっかけです。小学生の頃は、多様な家庭環境がある地域に住んでいました。大学生になって、そこが統計的にも貧困率の高い地域だったと知りましたが、労働者層の外国人が多く、シングルマザーの母親が夜に不在で兄弟の世話をする友達がいたり、駅前の街並みもシャッター街だったり。一転して、中学・高校時代に住んでいた地域はとても栄えていました。地域・教育の格差に関心をもったのはこの頃です。
都市社会学を学んで街づくり政策から格差の問題を追究するつもりで入学し、2年次のプレゼミでは商店街でインタビューなど調査活動を行い、レポートを書きました。また、全学共通科目の「立教サービスラーニング(RSL)」で、貧困家庭の子どもに教える無料塾のボランティアも経験しました。子どもの抱える苦しみなど格差の実態を知りたかったからですが、格差が子どもの学習進度に影響することもわかりました。授業を飛び出して現場で学ぶ大切さを知った体験です。
アートとの出会いで、社会問題の解決に別のアプローチを再考
その一方で、旅行先でたまたま行われていた瀬戸内国際芸術祭で新たな視点が芽生えました。その芸術祭は街全体を使い、住民を巻き込み、アートを通じて緩やかに街がつながっていくように感じられるものでした。それまで、具体的な政策で街づくりを考えていましたが、アートを使って柔軟な街づくりもできることを知りました。
そこで選んだのは、現在所属する小泉元宏准教授のゼミです。小泉ゼミでは、アートや創造性と、人々の暮らしや関係性・地域社会・政治・メディア・サブカルチャーなどの文化の形成の間にどのような相互関係があるのか、そしてそれらの問題点や解決策は何が考えられるかなど、広く学んでいきます。
また、卒論に関わる個人研究では、軸をアート教育に据え、美術館と学校におけるアート教育がどう連携していくかに関する研究を進めています。幼少期に格差問題に触れたり、学校という狭く制限の多いコミュニティに生きづらさを感じたりした個人的経験から、多様性重視のアート教育を通じて、従来の評価軸とは異なる視点を大切にすることで、格差や社会への違和感を改善したいと考えています。
ゼミでは、みんなで文献を購読し、美術館でアーティストやキュレーターの方の話を聞くなどして見聞を深め、3年次の後期には、かつて住んだ地元の美術館を訪ねてインタビュー調査をし、地元の課題に立ち返りました。サブゼミも企画し、自主的にみんなで話し合いも行っています。さらに、インターゼミにも参加し、他大学の学生と交流する機会ももちました。アートに関しては、まったく知識がないところからスタートしたため、あらゆる学びが新鮮で、すべて自分の研究の糧になっています。
そこで選んだのは、現在所属する小泉元宏准教授のゼミです。小泉ゼミでは、アートや創造性と、人々の暮らしや関係性・地域社会・政治・メディア・サブカルチャーなどの文化の形成の間にどのような相互関係があるのか、そしてそれらの問題点や解決策は何が考えられるかなど、広く学んでいきます。
また、卒論に関わる個人研究では、軸をアート教育に据え、美術館と学校におけるアート教育がどう連携していくかに関する研究を進めています。幼少期に格差問題に触れたり、学校という狭く制限の多いコミュニティに生きづらさを感じたりした個人的経験から、多様性重視のアート教育を通じて、従来の評価軸とは異なる視点を大切にすることで、格差や社会への違和感を改善したいと考えています。
ゼミでは、みんなで文献を購読し、美術館でアーティストやキュレーターの方の話を聞くなどして見聞を深め、3年次の後期には、かつて住んだ地元の美術館を訪ねてインタビュー調査をし、地元の課題に立ち返りました。サブゼミも企画し、自主的にみんなで話し合いも行っています。さらに、インターゼミにも参加し、他大学の学生と交流する機会ももちました。アートに関しては、まったく知識がないところからスタートしたため、あらゆる学びが新鮮で、すべて自分の研究の糧になっています。
休学しても長期留学をする価値
現在は、大学を休学し、半年間のイギリス留学の準備をしています。卒業を遅らせても長期留学をする理由は、仕事で使える英語力を習得し、格差問題について海外でどんな議論が行われているかを知りたいからです。5週間の英語コースを終えてから、学部聴講をします。自分の研究に関わる学問を学びたかったので、留学先は自分で探し、大学の留学制度は利用しませんでした。休学することに対してはまったくハードルを感じません。卒業後、何十年も働くことを考えたら、この1年間は決して長くないからです。ゼミの仲間も3割ほど長期留学して、卒業を延期しています。留学先で、新しい仲間や働く上での武器を得られればよいなと考えています。
留学を終えた後は、所属するアートのゼミで、再びアートを通じた教育について研究を深めたいと考えていますが、将来についてはまだ明確ではなく、「誰もが環境に囚われず、自分の意志を実現できる社会」を目指して、見えていない声を丁寧に拾い集め、地方や都心、経済状況の壁を壊していく仕事をしたいと考えます。
留学を終えた後は、所属するアートのゼミで、再びアートを通じた教育について研究を深めたいと考えていますが、将来についてはまだ明確ではなく、「誰もが環境に囚われず、自分の意志を実現できる社会」を目指して、見えていない声を丁寧に拾い集め、地方や都心、経済状況の壁を壊していく仕事をしたいと考えます。
全国に立教ファンを増やすために情報発信
地方から上京したので、最初の2年間は食事付き学生マンションに住んでいました。生活力に自信がなかったからです。立教大学の国際寮も魅力でしたが、自由度が高い方がよいので民間を選びました。ただ、民間も食事時間に制限があり、アルバイトで遅くなる時などに不便を感じて、今はアパート1人暮らしをしています。アパート選びでこだわったのは、セキュリティと1DK以上の広さです。一人なのに広さを求めたのは、テレビ局や出版社でのアルバイトで、オンラインミーティングが多かったからです。家で勉強することも多く、リラックスできる部屋と使い分けたかったのです。
テレビ局でのアルバイトでは、政治番組の制作に携わっていました。これは立教大学のネットワークで募集がありました。メディアを通じて、視聴者と社会問題をつなげる役割を担え、自分の学びたい学問と通じると考えて応募しましたが、それまで受動的に受け取るばかりだった社会問題について、主体的に取り組むきっかけにもなりました。ファッション誌では、web版のライターをしていますが、こちらはテレビ局での人脈で紹介してもらったアルバイトです。また、立教大学はメディア関係に就職されたOBOGに恵まれており、立教出身のアナウンサーが司会で、毎回メディア関係の著名人をゲストスピーカーとして招聘する「立教人から学ぶメディアの世界」という授業があります。仕事のこと、就職活動のことなどメディア志望でない学生にとっても、就職活動のモチベーションになる話が聞け、この先の学生生活をどう送るか考えるきっかけにもなります。
高校生にやってもらいたいことは、少しでも早い時期に大学を見に行くことです。低学年の時は、まだいいかなと思いがちですが、高校1年からオープンキャンパスに行き、憧れの大学やそこに通う学生の姿を見ることで、やる気につながります。そして、勉強はスキマ時間を上手に使ってください。高校生活は忙しいと思います。私自身、委員会活動や部活に追われていましたが、登下校に単語帳、お風呂で年表暗記など限られた時間に集中することは、学習の大きなエネルギーになったと感じています。
立教大学は、自分の行動次第で、勉強も課外活動も充実させられます。社会で活躍されている卒業生の話を直に聞く機会も多く、大学の外で学びを深める授業も豊富です。また、東京という日本社会の中心にいたからこそできたこともたくさんあります。地元の大学に進学していたら、きっとテレビ局やファッション誌でのアルバイトは難しかったでしょう。私は先日、地方出身の学生とトークイベントを企画し、全国から上京する受験者に向けて様々な情報を発信しました。地方から上京する時の心配ごとを少しでも減らせたらと考えているので、ぜひYou Tubeでライブのアーカイブ配信を見てくださいね。
テレビ局でのアルバイトでは、政治番組の制作に携わっていました。これは立教大学のネットワークで募集がありました。メディアを通じて、視聴者と社会問題をつなげる役割を担え、自分の学びたい学問と通じると考えて応募しましたが、それまで受動的に受け取るばかりだった社会問題について、主体的に取り組むきっかけにもなりました。ファッション誌では、web版のライターをしていますが、こちらはテレビ局での人脈で紹介してもらったアルバイトです。また、立教大学はメディア関係に就職されたOBOGに恵まれており、立教出身のアナウンサーが司会で、毎回メディア関係の著名人をゲストスピーカーとして招聘する「立教人から学ぶメディアの世界」という授業があります。仕事のこと、就職活動のことなどメディア志望でない学生にとっても、就職活動のモチベーションになる話が聞け、この先の学生生活をどう送るか考えるきっかけにもなります。
高校生にやってもらいたいことは、少しでも早い時期に大学を見に行くことです。低学年の時は、まだいいかなと思いがちですが、高校1年からオープンキャンパスに行き、憧れの大学やそこに通う学生の姿を見ることで、やる気につながります。そして、勉強はスキマ時間を上手に使ってください。高校生活は忙しいと思います。私自身、委員会活動や部活に追われていましたが、登下校に単語帳、お風呂で年表暗記など限られた時間に集中することは、学習の大きなエネルギーになったと感じています。
立教大学は、自分の行動次第で、勉強も課外活動も充実させられます。社会で活躍されている卒業生の話を直に聞く機会も多く、大学の外で学びを深める授業も豊富です。また、東京という日本社会の中心にいたからこそできたこともたくさんあります。地元の大学に進学していたら、きっとテレビ局やファッション誌でのアルバイトは難しかったでしょう。私は先日、地方出身の学生とトークイベントを企画し、全国から上京する受験者に向けて様々な情報を発信しました。地方から上京する時の心配ごとを少しでも減らせたらと考えているので、ぜひYou Tubeでライブのアーカイブ配信を見てくださいね。
4/26 首都圏以外の受験生向け!立教生による説明会&チャット交流会@YouTubeライブアーカイブ配信
※本記事は『高校生新聞 ONLINE』(オンライン掲載/2024年6月)をもとに再構成したものです。
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご注意ください。
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