公開学術フォーラム「文化権力という視座とその射程——東アジアと日本の文学・記憶・近代」(研究発表)
INFORMATION
本学日本学研究所は、韓国・翰林大学校日本学研究所と共催する形で、2020年度~2022年度にかけて東アジア文化権力研究学術フォーラム「伝統の正統性、その創造と統制・隠滅」(全5回)を開催し、文学・芸能・政治・美術・教育などにかかわる諸動向を視野に入れながら当該テーマについての共同研究を推進し、研究所間の学術交流を続けてきた。本フォーラムはその延長線上に位置するもので、「文化権力」という概念を扱うこれまでの共同研究のいったんのまとめにあたる企画である。ここでは「文化権力」という視座がもつ意義とさらなる可能性を、諸領域における具体的な事例をもとにして考える。初日は、ラジオ、在日朝鮮人文学、アニメーション映画に関する三名の研究発表の場を設定し、二日目のシンポジウムでは、初日の内容をも踏まえながら、和歌、台湾、神社、児童文学、対外戦争などの問題を扱う四名の報告をもとにして、全体討論をおこなう。
登壇者
報告者
本学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期課程
浜下 知里(はました ちさと) 氏
専門は日本近代文学。主要業績は、論文「生まれるための「物語」萩尾望都「A—A‘」論」(『大衆文化』立教大学江戸川乱歩記念大衆文化研究センター、2023年9月)、「復興を語る織田作之助「神経」論」(2024国際東アジア次世代研究者フォーラム叢書(e-book)『21世紀東アジアの和解と共生のための次世代研究と未来』翰林大学日本学研究所出版、2024年4月)など。
翰林大学校日本学研究所HK研究教授
朴 信映(パク・シンヨン) 氏
専門は日本神話・アニメーション研究。主要業績は論文「<すずめの戸締り>の災難叙事から見る過去との遭遇—「記憶」と「共感」からの治癒と和解模索—」(『日本文化學報』98号、韓国日本文化学会、2023年8月、韓国語)、「「鬼滅の刃」と日本神話からみる旭日旗の意味—天石屋神話を中心に」(『文化交流と多文化教育』12巻4号、韓国国際文化交流学会、2023年7月、韓国語)、「宮崎駿のアニメーションから見る帝国の表象研究—カオナシの変化様相を中心に」(『日本語文學』95号、韓国日本語文学会、2022年12月、韓国語)など。
翰林大学校日本学研究所HK教授
趙 秀一(チョ・スイル) 氏
専門は在日朝鮮人文学、日本戦後文学。主要業績は、著書『金石範の文学—死者と生者の声を紡ぐ』(岩波書店、2022年)、論文「出来事を自分のものにするための想像と遅読—辺見庸『1★9★3★7』を読む」(『文芸研究』150、明治大学文芸研究会、2023年3月)、「文化権力としての獨島—学界・言論界・教育界の動向と磁場を中心に」(『獨島研究』35、嶺南大学校獨島研究所、2023年12月、韓国語)など。
コメンテーター
国際日本文化研究センター研究部准教授
太田 奈名子(おおた ななこ) 氏
専門はメディア史。主要業績は、著書『占領期ラジオ放送と「マイクの開放」—支配を生む声、人間を生む肉声—』(慶應義塾大学出版会、2022年2月)、論文「ラジオ放送が拓いた〈帝国〉—占領期改革「マイクの開放」から脱〈帝国〉を展望する—」(翰林大学日本学研究所編『ポスト帝国の心象空間と文学翰林日本学研究叢書7』収、Somyung Books、2023年10月、韓国語)
本学文学部文学科日本文学専修准教授、日本学研究所所員
尾崎 名津子
詳細情報
名称
内容
・「戦争の時代、そして「生きる」ということ:アニメーション映画〈風立ちぬ〉と〈君たちはどう生きるか〉を中心に」:朴信映氏
・「交錯する東アジアの戦後と救済の語り——金石範『海の底から』を中心に——」:趙秀一氏
対象者
申し込み
- 事前申し込み 不要
- 参加費 無料